【神の子壷】カーヴァンクル【第3期】

しろくら
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泳いでいる。というより溺れている。
いや、沈んでいるのかな。
脚は必死に水を掻くけれど、身体は重くて痛くてすごく寒い。
きっともう底以外どこにも行けやしない。

ぼくの見ている夢だけど、これはぼくの記憶じゃない。
ぼくの記憶じゃないけれど、なんだかとても...


◆カーヴァンクル(Car_van_cle)
(17年/♀/156cm(33cm)/依代の宝石:ガーネット)

◆家族
父:ビトリさん【illust/68538523
「ん?何、パパ?お小遣いでもくれるの?え、押し売り...?ん、ん~なんの事かぼく全然わかんない...ほ、ほんとだよぉ?」
「今日は!新商品を!考えてきました!どうかな!!」
母:ユークレース【illust/68543470
「うんうん、ママは今日もいい感じにふわふわしてるね~!」
双子のかたわれ:アルミオちゃん【illust/69048719
「もちろん!今日は東の街に行ってみようと思ってたんだ~えへへ、ミオと一緒に出掛けるの楽しいなあ!
 えーと、東ってこっちだっけ...あっち?」
「ぼくもパパやアルミオみたいにもうちょっとこう、器用だったらなあ~
 ね、もう1回作ってるとこ見せて!」

母親の尾羽から生まれた猫のような犬のような鳥のようないきもの。
生まれつき温度感覚が狂っており、「暖かさ」を感じにくい体質。
「物をつくること」に強い興味を示しており、作った装飾品などを売りながら旅をしている。
足首には父親と編んだミサンガをつけており、
「素敵なものをつくりたい」という願いが込められている。
一時期、父の真似をして眼鏡をかけている事があったが、すぐになくす上に賢そうに見えなかったらしく早々に飽きた。
同じく尾羽から生まれた双子の片割れが大好き。語り出すと止まらない。
光輪は回路であり、光の消滅を機能停止とする。

◆(6/13)素敵なご縁を結んで頂きました!
カラットさんillust/69014258

うーん、困った。
道に迷っているのはまあ、いつもの事なんだけど
今回は更にまずいのが路銀を財布ごと落とした事!
ぼくは大きな時計塔を見に来ただけなのにどうしてこうなった...。
商品は売れないし、一旦家に帰ろうにも遠いし。
もう魚でも獲って野宿するしかないかなあ...でも水に入るの寒いから苦手なんだよなあ...
そんなことをぼやきながらぐるぐる回っていると、いつの間にか側に人がいた。
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「いやあ~助かったよ、ありがとーおねーさん!大きな時計塔があるって聞いて見に来たんだけど途中でお金全部落としちゃったみたいで...。」
「へ~本当に大きんだね!ぼくも色々な所に行くけど、
 こんなに大きな時計は見たことないなあ。」
「ぼくはカーヴァンクル。変わった名前でしょう?この赤い石と同じ名前なんだって!
 おねーさんの名前は?あ、おねーさんの目、水晶みたいでとっても綺麗だね!」


水晶みたいな色の目をした親切なお姉さん、カラットも旅をしているみたいで、
目的は違えど、その後も旅先で顔を合わせることも多かった。


「おーい!あ、やっぱりカラットだ!奇遇だね!うん?ぼくは本当の目的地は別の場所だったんだけど~...色々あっていつの間にか流れ着いたみたいな?
 ...うん、はい、また迷いました...。
 で、でもまあ、結果的には良かったよ!カラットにも会えたしね!」
「そうだ、せっかくだし一緒にご飯食べに行こう!この間のお礼!何か奢るからさー
 今回は財布落としてないから 大丈夫!大丈夫!任せて任せて~」
「えーと、それでね~...んん、また喋りすぎちゃった。ぼくかなりお喋りみたいで、
 よく喋ってないと死んじゃうのか~?って言われるんだけど...
 何だか最近は本当そんな感じがしてきたなあ。」


ぼくの話は大体長いって言われたり思われたりする事がほとんどなんだけど、どうも心の声を聴いても彼女はそうではないみたい。
珍しいひとだなあ。でも、話を聞いてくれるのはとても嬉しい。


「そういえば、カラットも旅をしているんだよね?じゃあ、これあげるね!
 魔除けのお守り!あーっと、ぼく石磨き以外の腕はまだ微妙でね、
 見た目はちょーっとあれだけど効果はあるから!多分...。」
「ん?ん~あーそっか、そういえば言ってなかったねうんうん。
 でもまーよく間違われるし。
 ぼく、性別って要素はそんなに重要じゃないっていうか...あるようでないような感じというか~う~ん、まあそんな感じ!」
「今度は西の方に行ってみようかな~って思ってるよ。
 また目的地と全然違う所に着いちゃうかもしれないけど...
 まあ、その時はその時!何とかなるかな~って、あれ、ちょっと笑ってる?」


いつの間にか一緒にいる事が多くなって、なんとなく離れがたいような気もして。
最近、小さい頃聞かせてもらったパパとママの旅の話をよく思い出す。
きっと楽しかったんだろうなあ。

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「あの、さ、よかったらなんだけど...2人で旅をしない?」

いつもは言葉なんて次から次へと出てくるのに
なんだか今日は上手く喋れない。変なの。バグかな?


「2人の方が楽しそうだし、パパとママもね、ずっと一緒に旅してたんだって。
 ...ってえーと、そうだけど、そうじゃなくて...」
「え?どうしてカラットかって、えーっと、何というか、その~
 これから先の景色を誰かと見るなら、その誰かは君だったらいいなって思ったから。 ...です。」

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2018-06-05 13:23:42 +0000