【えんもの】水春【四世代目】

弥之
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此方の素敵な企画様に引き続き参加させていただきます:縁は異なもの味なもの様(illust/67011335)
*主催様:承認済

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「どうれました?浮かない顔をされていらっしゃいますね。まずは食事など如何でしょう?美味い料理で腹が満たされれば今と気持ちも変わりますよ」
「お客様、無銭飲食はご遠慮願います。人前で無様に取り押さえられるのは恥でしょう…?お金がないならツケも利きますよ。必ず回収に伺いますが」
「ん~~!こちらの甘味はいつ頂いても絶品ッ♡これが此の世の至福というものでございますなぁ」
「物騒な私の存在を恐ろしいだとか危険だと思うかは貴方様次第ですので厭われればそれもそれ。それでも好いて頂ければ私も嬉しゅうございます」

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名前:水春(ミハル)
種族:妖怪【牛鬼+七人みさき+ヒカギリ+フーライ猫】
▼・水崎さん(きこ様)素敵なご縁をありがとうございました・▼
詳細は此方(novel/9813801)

父:水崎さん(illust/68645587)
「流石父上、大物ですね!私のは一回りほど小さかったようです。やはりまだ父上には構いませなんだ」
母:小夜(illust/68882683)
「母上の手料理はいつ頂戴しても大層美味しゅうございます。んっ、今度こちらの薇の酢漬けの味、ご教授ください」
弟:小砂さん(illust/69297429)
「小砂、よく来ましたね。これはまた大量な…ありがとうございます。
折角なのだからこのままお客様にお出しする前に食べていきなさい。
好きなように調理してあげますよ」


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素敵なご縁を結んで頂きました!(6/27)
華々しくも雄々しい狩人:四葉さん(illust/69014295)

その人は殊に“華”を愛でる人だった。
時折街で見かける彼は、困っている老女に手を差し伸べ、悪漢に無礼を働かれるうら若き女性を助け、親とはぐれた童女と親を探し…
とかく“華”…女性の味方であることがありありと分かる方で、きっとこの方はこうして掴み所がなく生きている方なのだろうと思っていた。

「こちらの小鉢は父の山で採れた薇を酢味噌和えにしたもの、炊き込みご飯は春筍です。炊き合わせに入っている肉は数日前に弟と狩った鹿肉で今が食べ頃ですよ、お試しください」
偶然、店に食事に来た彼に、他のお客様にもするように食材の説明をすると、彼は思いもよらぬという感心した顔で私を見た。
女だてらに狩りをする事を驚くお客様は少なくないので、彼もその類かと思ってみたが、返ってきた言葉は以外にも「彼も狩りをする」という普段の様子からでは窺い知れない答えだった。
「貴女も狩りを?ほう…それはよい事です。しかし貴方が…そうですか…」
普段の彼の姿からでは想像もつかない「狩り」という言葉に、思わず彼の実力が気になった。
「あの、もし宜しければ、今度狩りをご一緒しませんか?来月の一日、一人で行こうと思っていたのです。申し送れましたが店主の水春と申します。どうぞよしなに」

「狩りの時だけは貴方と対等でいたい。そうでなければお互いより良い獲物を仕留めるなどできないでしょう」
一ヶ月後、狩りを始める前に彼・四葉さんにそう言い放った私は、山で彼の実力に目を奪われる。
普段の華やかさは何処へやら。鮮やかな髪を揺らせて木々の間を飛び回り、時に慎重に粘り強く獲物を待ち、獲物が苦しむことなく一瞬で倒す術を身につけた彼は、本物の雄々しき森の狩人であった。
「驚きました、四葉さん。以前より貴方の実力を侮って判断したことをお詫びします。貴方は本物の狩人です。実に良い師の元で狩りを習われたのでしょう」
聞けば、彼もまたご自分の父上に狩りを習われたのだと聞き、勝手ながら親近感を覚えた。

それからというもの、狩りをした日をキッカケにお互いどこか変化が生まれた気がした。
どちらともなく狩りに誘い合い、その都度感じる自然の移り変わりに心を寄せ、自然がもたらす恩恵を感じながら二人過ごす時間が増えていった。
その頃には私はすっかり狩りの最中に彼の揺れる鮮やかな髪を目印にするようになっていたし、そうでなくとも店に訪れる彼という存在に心を寄せるようになっていた。
ああ、父上から継いだ血が“愛しい”という形で鎌首を擡げる。

「おや四葉さん、もうお帰りですか。いえ…その… また、いらっしゃいますか?」
「夏めいてきたましたね。ご存知ですか?あの森の奥の河原、美しい蛍の名所なんです。その時期になったらご一緒しませんか?」
「すっかり秋ですね。十五夜の前に栗拾いに行きましょう。お供え分を残して、残りは栗ご飯や甘栗など」
「きっとあの空の具合とこの寒さで明日は初雪ですね。四葉さんは冬の狩りはされますか?私は蛇の血の為か雪の上だと少し動きが鈍ってしまいまして…けれど貴方とならそんな冬の狩りも楽しそうだと思うのです」

「四葉さん、来年もその次の年も、貴方とまた新しい季節を見に行きたい」

愛しい貴方と、愛した自然と、幾久しく傍に居たい。

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2018-05-31 15:11:59 +0000