「朽ちゆく世界にハナムケを」(illust/67637283)にお邪魔します。よろしくお願いいたします。
◆ あめ売りスアン ◆
「飴売り?いいや、安夢売りですよ、お嬢さん」
「こんなご時世だ、寝床の中でくらい好きな夢見たってバチは当たらないってね。
てなことでおひとつ如何かな?」
◇ヌー・スアンスアン(Ngu Xuanxuan) 単にスアンと名乗る事が多い。
男/28歳(外見は20歳前後)/172cm/レフコニア/ 30pt / 一人称:俺/二人称:君、お嬢さん など
大きな箱を背負い獏を連れた行商の男。
「食べると望む夢を見られる」という不思議な飴を商う、自称「安夢売り」。
綿雲のような飴はほのかに甘く、ふわりと桃の香がする。
気候変動の影響で年々行商が難しくなり、外気よりも懐が寒い今日この頃。
寒さにはまあまあ強いが腕っ節はからっきし。「仕事がしづらくなるから」とのことで、
人当たりはいいが深い付き合いは避け、一ヶ所に長く留まることは少ない。
慢性的な睡眠不足のため接客スイッチがオフの時はだいたいボーっとしている。
お供の名前は邯鄲、伸縮自在の獏っぽい何か。主に荷物運搬係。草食。
「邯鄲、ねぇ邯鄲~?今年ね、お野菜高いの、ちょーっと食べる量減らして貰えるとありがた…
アッハイ俺の稼ぎが悪いのがいけないんですよね…アアッ白菜をそんな一口で…………」
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5/6:素敵なご縁をいただきました!
ジュビア・ゼクロティス=アプリシアさん(illust/68533028)
あめ売りとあめふらしの娘の話→novel/9598656
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長男:ネーベル(illust/69511345)
「ネーベル~~こっち向いて~~、……ありゃ、やっぱダメか」
「あんまり件のお嬢さんの夢のそばウロウロすると節操が無いって嫌われるよ?
…ジュビア、何か言いたげだね、あ、お前が言うな、ハイ……」
長女:プラン(illust/69478705)
「プランおはよう、あのね~~おとーさんの先月の売り上げはねぇ~~
……やだ雷出てるよプランちゃんコワーイ」
「仕事熱心なのは結構だけどおとーさんは可愛い娘が心配でねぇ。
いやほら変な虫が付かないかとか…ちょうちょも虫のうちだからねぇ、うんうん」
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◇安夢売り(あめうり)
夢を自在に行き来し、他人の悪夢を集め漉し取り吉夢に縒りなおす能力を有する一族。
縒りなおした夢は綿菓子に似る。
神仙の住まう山に生えた桃の木の精が山に迷い込んだ飴売りの行商と契ったのが一族の始まり
と伝えられ、桃色の髪と繊細優美な外見を持つとされる。
「まあ、その辺りは人によるというか…男連中が揃ってもやしなのは事実だけどねぇ」
彼らにとっては睡眠≒労働であり、また悪夢を集める作業はそれなりに心身に負荷の掛かる
重労働であるため、安眠などまさに夢のまた夢、睡眠不足は一族の宿命である。
睡眠不足は万病の元というわけか、精霊の末裔のくせにどうも早死する者が多い。
本来の寿命はそこそこ長いようで、老いは緩やか。
悪夢から精製できる吉夢の量や、客が望んだ夢の再現度合いは各自の能力による。
(尤も、夢の再現については客本人が「見たい夢をどれだけ強く願い、鮮明に思い描けるか」
にも大きく依存するようである。)
持ち運ぶ箱には縒りなおす前の悪夢が入っており、安夢売り以外が不用意に開けると
悪夢に囚われ二度と目覚めることができなくなるらしいが真偽の程は不明。
「えー、やだなぁクレーム?ハァ、想い人に告白される夢を見たけど背景が肥溜めだった、と…。
いやそこんとこはお客さんの方でしっかり指定しといて貰わないと俺の方ではなんとも…。
あーその、穏便に頼むよ見た目どおりひ弱なんで」
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「むかーしむかし、夢を司る仙女が住んでる山に飴売りの男が迷い込んで、仙女が大事にしてる
桃の木の下で行き倒れちゃったのさ。
哀れに思った桃の木の精が介抱してやったまでは良かったんだけどね、
飴売りはすっかり惚れ込んじゃって、仙女様の許しも得ずに桃の精を攫って連れ帰ってしまった。
怒った仙女が呪いをかけて、飴売りは夜な夜な悪夢を集め歩いては飴にして売りさばかなきゃ
ならなくなったんだってさ。
それがウチのご先祖サマでね、お莫迦な先祖のせいで俺たちはこうやって
因果な商売やってるわけだ。シケた話でしょ?」
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「それではどうぞ、良い夢を。」
2018-05-03 12:25:45 +0000