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✿縁は異なもの味なもの【illust/67011335】
「占いの前に腹ごしらえが先さぁ、今日は天ぷらそばがおすすめですってよ」
「やめた方がいいよ、私が言うんだやめておきな、私の悪い占いは当たるんだ」
「あんたとのことは占いたくないなぁ、良くて当たらなくても悪くて当たっても嫌だからね」
❀巳(かがし)
母:くちな【illust/68079159】
父:モブ(がこぜ)
「蛇を裏切るのはいけない、特に色恋では……ねぇ」
✾妖魔(母親参照)
✾女性
✾二十代後半(外見)
✾身長160cm程
(蛇は15〜150程度に収縮可能)
温泉旅館の手伝いをしていた母が
そこを訪れた旅の退魔師と名乗る男との間にもうけた娘
母のいる温泉旅館の広間の端で占い師をしている
悪い結果ほどよく当たると評判でそこそこ繁盛している
飄々としており本気か冗談かわからないことばかり言う食えない女
人と話すのは好きらしくいつも笑っているがどこか一線を引いている節があり
親しくなりすぎるとわざと相手の嫌悪を煽る物言いをして遠ざけていく
結局男は退魔師などではなく母に殺されてしまったが
詳しい顛末は母以外誰も知らない
✿婚姻しました
優しい月光の様な人✾レーヴ・レーヴさん【illust/68718985】
その男は夜を纏っていた。寂しくも暖かい夜だ。
その男を初めて見たのは指定席の様になっている食堂の隅で叔父の作った夜食にきつねうどんを食べようとしていた時だった。
ここは裏に庭と山を持つ温泉旅館があるような辺鄙な土地だ。堅苦しそうな洋装を着て稲穂色の頭をひとつ分常連客席である近所の者達から飛び出させた男はとても目立っており唇には弧を描かせてはいたがなれない土地のこの食堂という制度の勝手がわからず困っているのが見てとれた。
かわいそうに、一応この旅館に世話になっている身として困っている客を放っておくことも出来ずそっと寄って背中を叩いた。
異国のそれも大陸の向こう側の色をした男に興味もあった。振り向いた顔は甘く、吸い込まれそうな黒と金の目に更に興味が湧いた。
食事と酒を頼んでやりきつねうどんを残したままだった席の向かいに座らせる。男は諾々とついてきたがこれは助けようとしたつもりだったが悪船にのせてしまった気もした。気にしないでおく。
優しく柔らかく微笑み話す男だと感じたから子供相手の精霊の類と聞いて納得した。いつか子守唄を歌ってくれと言ったら困った様な笑い方をされた。私も笑った。
彼の話は楽しかった。異国の話も夜の子供の話も知らない時間を生きる男の事を知りたくてあれやこれや聞いてしまった。
代わりにこの国の事や、この辺りの事、旅館の話は特に耳寄り情報も混ぜて話してやったし横扉を静かに開けられないというからうまくなるか占ってやったが結果は悪かった。そうだろうな、あれは音が鳴るものだ。
根なし草らしい男は足しげく旅館に通ってきてはこの度に向かい合って話をした。人と話すのも好きで好奇心の強い私にはそれはとても楽しい時間だった。
私は昔から夕方が好きではなかった。すぐに日がくれてそれぞれさよならをしなければならない。それが嫌だ。ひとりは好きではない、でもここで誰かと眠ることもできない。塒に慰みを呼んでもその場しのぎだ。
けれど男が夜にばかり現れるから夕方になるともうすぐ彼が来る時間だと胸を高鳴らせる自分に気付いた。いけないと思った。
お優しい男は私が一人夜道を帰ると知ってから夜に私を塒まで送ってくれる。普段は扉の前まででせいぜい横扉を開ける練習なんかをしたときに軒先に入ったくらいだった。
いつものように少し離れたところで足を止めた男の袖をそっと引いた。子守唄を歌って欲しい訳ではない、大人の夜の慰め方はそれじゃない。
けれど男は困った様な笑い方をするだけだった。なにか言われるより先に意気地無しと捨てかければ眉をひそめられ、それを振り切って塒に潜った。それでいいと思った。
次の日適当なの男を捕まえてここのところあの男だけが座っていた席に座らせて食堂が閉まるまでどうでもいい話をした。途中であの男が来たが一瞥して話に戻った。
なのに旅館を出たら男がいて少し狼狽えたが顔には出さなかった、多分。塒に誘えば困った様な笑い方をするくせに追い払っても律儀に私の側を歩く
構うのか構わないのかどちらかにしてくれ。いや、しなくていい。どうせ私のものにはならないんだからさっさとどこかへ行ってくれ。
それだけ言い捨ててきっと困った様に笑うっているのだろうと思うと見たくなくてうつ向きがちに足を早めた。
幸せは遠くから見ているくらいが好きだ。輪の外でおめでとうと手を叩いている時が一番いい。手にしてしまってはダメだ。失うときばかり考えてしまう。
心の臓腑の奥深くの柔らかいところまで染みるほど手離すときは痛い。だからその前に手離す。昔一人で帰ってきて泣く母を見てそれがいいと思った。
そうしていつかどこかで誰かと幸せになってくれと身勝手に願う。それが私の幸せだ。
気が急いで足早に先を歩く私の手を取った男は笑ってはいたが困った顔はしていなかった。言われて失言に気付く、あれでは欲しいと言ったも同義だ。
男の手は優しい、けれど振りほどけない。望んでいたからだ、心の臓腑の奥の深くで彼のために差し出した場所で。
私の家を訪れていいかと言う男に頷くしか出来なかった。優しい夢を見せてくれると言った、私が泣かなくて済むように。けれど私は夢よりもやはり男の手で慰めてほしかった。
泣かなくてすむ優しい夢より、泣いても側にいてくれる方がずっとずっといい。
言えば男はやっぱり困った様に笑って、けれど二人で音を立てて扉をくぐった。
優しい夢より、隣に男がいてくれる方が幸せだ。寂しい夜はもういない。
「お困りかい?なになに私が手解きしてあげようか、お代はお揚げでいいよ………お揚げというのはそこの平たい四角いのだ、甘く煮たのが特にうまい。」
「お前の話は楽しいな、話もいいが声もいい。確かにその声で子守唄を歌われたら誘われそうだ。いつか私にも歌ってくれよ、お前と共寝というのもまた……そんな顔をするな」
(編集中)
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2018-05-02 12:50:21 +0000