縁は異なもの味なもの【illust/67011335】
もふもふもふ。
それはただの毛玉でした。
◆ う
妖怪(毛羽毛現)
男│数百歳(忘れた)│直径3m
「急いては事を仕損じると言うしのぅ、まったりが一番じゃてなぁ。……一緒にごろごろしていかぬかのぅ」
「あぁ~、食そうとしてはならぬ~。“う”はただのもふもふの塊ゆえ、肉などついてはおらぬのじゃ~」
「お主はまだ小さいのに頑張っていて偉いのぅ、“う”がよしよししてやろうなぁ」
人間と同等の知性と言語能力を有しているもふもふ。
頑張ると身体の大きさを変えることができるが、それ以外に特殊な能力はない。人間よりは長生き。
普段は直径3m程度の毛玉で、暮らしているのは山の中。用事がなければ日がな一日ごろごろしており、たまに斜面を転がり落ちる。ごろごろごろー。
巨体に見えるがただの毛玉なのでとても軽く、風が強いと飛ばされる。
まだ小さい毛玉だった頃、とある人間に兎のような手触りと額の模様から“う”と呼ばれたことで、自らを“う”と名乗る。
頑張らないと小さくなれない程度に成長してしまったので山に引っ込んだが、人間と一緒に暮らしていた時期もあり、基本的に人好き。
◆ 素敵なご縁をいただきました!
包み込みたい小さな光*スターヘレナさん【illust/67707414】
綺麗なものだった。
朝の陽にきらきらと輝く水面のような。
夜の闇をちかちかと照らす星のような。
綺麗で、明るくて、眩しくて、
思わず目を細めたくなるような存在。
しかし、そんな綺麗な容姿に呑まれないほど卑屈な子だった。
「気の済むまで隠れておいで。”う”も温かくて一石二鳥じゃてなぁ」
「塵芥でしかなかった”う”だがの、へれなの枕くらいにはなれるんじゃよ~」
「へれなは元気だのぅ。もちろん”う”は”う”じゃよ~」
振り払われても振り払われても、またおいでと呼びかけてしまう。
傍にいないときに、無償に心配してしまう。
暗く沈んだ表情でやってきたのなら、包み込むように小さな頭を撫でてしまう。
あの子の悲しい顔は、見たくないと思う。
だから言葉で伝えるのだ。
「へれなは、そのままでいいんじゃよ~」
卑屈でひねくれていて、照れ隠しが下手な淡い光。
見た目が綺麗すぎるのだから、少し卑屈なくらいが親しみやすくていいではないか。
物事を少し斜めに見たとして、人と違う考えを発案できるのだからいいではないか。
照れて暴言を吐いたとして、それすら”う”はかわいく思えるのだからいいではないか。
しかし、彼女は素直に頷きはしないだろう。
「それでも、”う”はへれなが好きじゃよ」
聞こえた小さな呟きは風に流されたふりをして、
ただ穏やかに眠る小さな光にふわりと添うて、目を閉じた。
◇ お友達!
ルーシーさん【illust/67574298】
「“う”は長い名前は覚えられぬでなぁ……勘弁しておくれ、るぅしぃ。ほれ、“う”が枕になってやろうなぁ」
「るぅしぃや、一緒に日向ぼっこでもどうかのぅ。今日は朝から冷えるからのぅ、身体を冷やさないようにするのは大事よなぁ」
黒曜さん【illust/67511625】
「黒曜さんや、急ぎでないなら“う”と一緒に昼寝でもせんかね。今日の日向は一段とあたたかいでのぅ」
「“う”の抜け毛が貯まってきたでのぅ、羽布団などお主の大事な嫁御にどうかのぅ。山の夜は冷えるでなぁ」
◇ 不備などありましたら、ご連絡ください。
最終更新:18/03/27
2018-03-09 13:40:13 +0000