こちら【illust/67011335】の素敵な企画に参加させていただきます。
開催おめでとうございます!
あなたが紡いだ命の先を 知りたくなったのです
芽吹き花開く時を ずっと見守っていたいのです
命という花に 身を寄せて生きてゆきたいのです
天に舞え 風に散れ 雪のように美しく 真っ白な花弁が
どうか あなたの元にも届きますように
( 愛しい人よ 見つめていたい )
「また来年も、再来年も、この先もずっとずっと、私はこの“あたたかさ”の中で生きてゆきたいのです」
◆名前: 秋保(あきう)
◆年齢:約200歳
◆種族:白狐
◆身長:170㎝
◆一人称:私
二人称:あなた、~様
◆好きなもの:温泉、女将さんの手製おはぎ
◆嫌いなもの:犬
◆備考:喜白亭で働いている白狐の青年。
良い意味でも悪い意味でも純粋で他人を疑うことを知らず、人懐っこく他人を甘やかすのも甘えるのも大好き。
好奇心旺盛でとてもお喋り、嬉しくても悲しくても「困ります」が口癖。
匂いだけで様々な温泉の利き湯が出来るのが自慢。
化けることが得意で、麓の町へ遊びに行く時は人間の子供の姿に化ける。
年齢の割に子供っぽいところがあり、子供たちに混じって遊びまわることもしばしば。
幼い頃、狩人に追われて大怪我をした際、当時温泉旅館の若旦那であった人間に命を救われる。
経営に悩んでいた若旦那の「人間も妖も快く利用出来る温泉にしたい」と言う願いを聞き、今の喜白亭の礎を築く懸け橋として手助けをすることに。
数々の困難はあったものの旅館は徐々に繁盛し始め、いつしか人間も妖も関係なく笑い声が響くようになった。
若旦那は秋保を実の子の様に可愛がり、旅館の名前も「喜白亭」と改名。
秋保も若旦那を実の父の様に慕い、若旦那亡き後も彼の子孫に寄り添い旅館の手助けをしている。
犬が苦手で、子犬相手であろうと怯える。
尻尾を思いっきり噛まれた経験がありトラウマ。
◆喜白亭(こはくてい):人里から少し離れた山の奥にある老舗旅館。
昔から地元の人々や妖怪たちの憩いの場として親しまれてきた。
初夏になると旅館の周りにはヒトツバタゴの白い花が咲き、まるで雪のように見える。
名物は女将特製のおはぎ
*****
◆素敵なご縁を頂きました🌸
決して色褪せない優しい紅い色:やむさん【illust/67635777】 3/26追記
初夏の訪れを彩る真っ白な花弁が、まるで雪の様に風に舞う。
“あの日”から随分と年月が過ぎたけれど、この眩いばかりの美しさは相も変わらず自分の心に降り注いでいる。
ふわりと掌に舞い降りた小さな花弁を指先でなぞり、ふぅと息を吹きかけてまた風に乗せ――何気なく視線を上げた時、思わず息を飲んた。
一瞬で目に焼き付くような鮮烈な紅い“彼女”の瞳が、優しくこちらを見つめている。
時間が止まったように言葉を失ってただ見とれる私の心を引き戻したのは、彼女の傍らにふと現れた大きな白い蛇だった。
妙な声を上げてしまったと思う。
途端に彼女の表情は陰り、紅い瞳を伏せてこちらに背を向けて歩き出す。
咄嗟に何と言っていたのか覚えていないが、気づけば彼女の白い手を引いて反対方向へ歩き出していた。
白く小さな手を引き、歩き慣れた道を通って旅館の門をくぐる。
「おかえり」と笑顔で出迎えてくれる女将さんや仲居さん、馴染みのお客さんに「ただいま」と返しながら彼女の方へ視線を向けると、戸惑っているのがよくわかった。
きょろきょろと私とすれ違う人々を見返す落ち着かない様子に、安心させたいという思いを込めて少しだけ握る掌に力を込めた。
彼女との出会いから、当たり前だった日々に今までとは違う感覚を覚えるようになる。
美しい景色が、芳しい花々が、美味しい食事が、あたたかな人々の営みが、彼女と一緒に居るとより鮮やかに心を惹きつけることに気づいた。
初めは戸惑い、緊張して強張っていた彼女の表情が綻ぶのが嬉しい。
交わす言葉も増えて、彼女のことを知る度に胸に宿るあたたかな気持ちに、深く満たされたいと欲張りになっていく。
そうして、また、共に、そんな言葉を自然と繰り返す。
いつの日だったか、中庭で戯れる楽しそうな家族を眺めなら、気の遠くなるほど長い間、遠くから1人で人々の営みを見守ってきたのだと教えてくれた。
寂しかった、辛かった、彼女は自分の過去を悲観的に語らず、ただ目の前の家族を愛おしそうに見守りながら微かに笑みを浮かべている。
人々の輪の中で見守ってきた私と境遇も過ごした年月も全く違うものだったが、感じてきた想いは同じなのだと気づいた。
あぁそうだ、だからこんなにも彼女と共に感じるすべてが鮮やかに見えるのか。
あぁもっと、このあたたかい気持ちを共有したい。
そのあたたかな眼差しを私にも向けてほしい、思わず出かかった言葉を慌てて飲み込んだ。
季節はめぐり、また視界には真っ白なヒトツバタゴの花が美しく咲き誇る。
あたたかい気持ちは膨らむばかりで、少し苦しくて、甘酸っぱくて、心がむずむずしてくすぐったい。
見守ってきた、だけではなかった。
私もたくさんの人々に見守られながら生きてきた。
お互いを大切に思い、敬い、思いやり、助け合い、信頼してきた。
これからもずっとそんなあたたかさの中で見守り、見守られながら生きてゆきたい。
掌に舞い降りた白い花弁を優しく包み、願うように瞼を閉じた。
どうかこの溶けない雪の花の様に、ずっと私の心へ降り注ぎますように。
彼女にこのあたたかさが、届きますように。
刹那、強く吹いた風が掌の花弁を攫っていく。
思わず手を伸ばして振り返った先――焦がれていたあたたかな眼差しが、私をまっすぐに見つめていた。
初めて出会った時と何も変わらないその鮮やかで優しい紅い色を見ていたら、どうしようもないくらい目頭が熱くなる。
揺れる視界に映る彼女の姿が、たまらなく愛しい。
「好きです。大好きです。ずっと――、」
( 見つめていたい )
( 見つめてほしい )
*****
◆素敵な友人様 4/3追記
こちら【novel/9327909】
安知生さん、百合さん、葉玖さん、小鈴さん、
ミハイさん、椿さん、流さん、
飴乃さん、七堂要さん、希純さん
*****
◆問題や不手際等ございましたらお手数ですがご連絡頂けますと幸いです。
キャプションは随時更新します。
2018-02-28 15:00:31 +0000