父は人外の者だった。
母は私を生んですぐ亡くなった。
村人は幼い私を殺しはしなかったけど、とにかく冷たく扱った。
あなただけが私に優しかった。
あなたの力は日に日に私を蝕んだけど、
あなたから離れて他所へ行く気になんてとてもなれなかった。
あの日村人に殺されて、死んでからもそれは変わらなくて、
醜い想いの塊になってしまった私をそれでもあなたは変わらず大事に扱ってくれた。
私はあなたの中に居場所を貰った。
そのせいであなたには酷い事をさせたし沢山のものを失わせてしまったけど。
それからあなたは希望をすっかりなくしてしまった私が、いつか再び希望を持って
自分の意思で旅立てるように、世界を歩いて色々なものをみせてくれた。
良い事ばかりではなかったけどそれでもあなたを通して見た外は、世界は、
私が見た狭い世界より優しさも暖かさもあって、なにより面白かった。
いつかあなたが話してくれた時には全くそんな気になれなかったのに現金な話よね。
あなたの中で眠りながらそれを感じているだけでも十分だったのに。
あなたから沢山のものを奪ってしまった私には、これ以上を望む事なんて許されないのに。
ここにこうしてあなたが来てしまったから。
もう一度あなたに触れて言葉を交わしてしまったから。
どうしても離れがたくて、引き留めてしまっている。
ああでも、さっきから遠くであの子の声が聞こえている。
あなたは起きないといけない。この夢の世界だってきっと永遠じゃないもの。
「分かってはいるのよ。本当は」
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■参加非公式イベント
幻花の夢【illust/65519076】
■お借りしました↓
漂ってるのはこちら【illust/65858145】の現導の幻灯の白蛾。深い眠りの中にもちゃんと届いている様子。
■アウル【illust/63981717】アウルの本来の姿は竜です。姿は変わっても魂が変質している訳ではないので心の深層にいる今は本来の姿になってます。起きてほしくないというルーナの意思を反映してか夢の中の夢でも微睡み状態。
安眠者の少女ルーナ【illust/65837513】人と人外の者の混血。とはいえ特に特殊な能力は持っておらず(強いて言うなら魔力耐性)ほぼ人と変わりなし。混血児の為村では白眼視されていたもよう。故人だが死竜達と似たような存在(記憶や想いの塊)になってアウルの心の深層に普段は眠っている。
それでつまりどういう事だってばよ?→散らさないといけない花が二人分あるんだ・・・。
起きたくないのはアウルではなくてルーナの方という話。
■不都合などありましたらパラレル&スルーでお願いいたします。その他問題がありましたら連絡を下さい。
キャプションの不備はその都度直します。
2017-11-17 11:38:27 +0000