5状態系の角運動量の、上昇・下降演算子は図1のL+、L-ようになります。
たとえば、5行ある列ベクトル(縦ベクトル)の一番下に1、そのほかにゼロが入っている行列にL+を作用させると、一番下にあった1が、下から2番目に移ります。
また、一番上にだけ1がある場合にL+を作用させた場合は、状態が5つしかないため、これ以上上昇させられず、ゼロベクトルになります。
下降演算子L-も同様です。
図1のLxとLyは、角運動量のx成分とy成分です。
ここの定義は僕の勉強不足で意味をよく把握していないため、どうしてcosやsinを指数関数で定義するみたいになってんだ?って突っ込まれても答えられません。ごめんなさい。
ただ、LxとLyと、z成分Lzの関係は確かで
交換関係 [Lx,Ly]=iLzが成り立つことは、微分方程式を用いても理解できます。(図2)
奇数次の行列の場合、[Lx,Ly]を計算することで、固有値を予想することができます。
この固有値を最小の整数にするようにAとBを定めると、A=2、B=√6なので、
上昇下降演算子は図3のようになり、
LxとLyはそれぞれ、図4のように、Lzも図5のようになります。
ここで、本当にLxの固有値がちゃんと0,±1,±2と求まるのか、確かめてみたのが
図6~10です。
この固有値を代入して得られた、Lxの固有ベクトルが、図11で
Lyの固有ベクトルが図12です。
固有値がカブっていないので、固有ベクトルは規格化することができます。
つまり、図11、12の行列はユニタリ行列になっています。
それをLyについてscilabで確かめたのが、図13、14になります。
また、列ベクトルには自由度があるため、図15のように適切に回してあげると
Lx、Lyともども、固有ベクトルはユニタリでもあり、特殊ユニタリでもあり、エルミートでもある行列にすることができます。
つづく
illust/65625284
2017-10-28 00:31:38 +0000