ああ、来てしまった。
約束の日が。
16歳の初めの満月の日が。
少女は約束の場所で花束を手に頭を垂れてその時を待った。
逃げ去ることはない。
それを選んだのなら、多くが死に絶えるだろう。
それを選んでも、逃げ延びることは叶わないだろう。
どうか、その時が澄んでいて、そして鮮やかでありますように。
夜鳥の羽が舞った。
これは、月の瞳が少女を見つけた御話でした。
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一つ前【illust/65054445】
二つ前【illust/65045264】
三つ前【illust/64274509】
■今は狐の月鏡、今はウサギの狐の少女【illust/63983977】
銭湯での話(illust/64471460)で少しだけ触れていた、彼と彼女の出会い話、なのでした。
間としてもう一枚要りましたかねえ・・・駆け足となりましたが、ここまで。
彼らが彼ら自身で解決すべき物語は既に昔のものであり、今の彼らは物語を支え、観る者です。
2017-09-20 07:37:05 +0000