【PFRD】とある月鏡の物語・3

赤衣むさのすけ

 それから、少女は毎日ペンを取り、少しずつ、すこしずつ日常を物語のように綴った日記を書きました。
 そして、16歳になる年が近づく度に、年頃の少女であれば少しずつ物が部屋に増えていくだろうこととは逆に、少女の持ち物は日記以外少なくなっていきました。

 16歳になったなら、私はあの夜の月にいただかれるのよ。
 だから、持つものは少ない方がいい。

 
 
 ああ、だけど、だけど・・・私は日々の物語を綴っている。
 小さなちいさな・・・他愛の無い物語だけが増えていく。

 目に留めてくれる人が居るかもわからない物語。私の物語。
 でも、もし、いつか誰かが私の見たものを知ってくれるのなら、私は地上に心を残さず消えていける。
 
 
 ホ ホ ホという鳴き声と共に、窓の外で夜鳥の羽が舞いました。

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アスカ「・・・・・・・・・」
リリプータ「もう少しだから・・・ね?」

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 それは死にゆく人の光景だ。

 一つ前【illust/65045264
 二つ前【illust/64274509

■描き手&書き手設定・キツネとウサギ【illust/63983977

#pixiv Fantasia: Revenge of the Darkness#【叶わずの月鏡】

2017-09-20 07:06:09 +0000