悪竜王をまるで操るかのように頭上に立つ人影を睨みつけ、
悪狼は唇を歪める。
「ああ、面白くねえ」
「…何がだ」
「俺の話は、黒幕がもしも居たとしたらという仮定だったが…」
歪めた笑みを消し、悪狼はハロルドへと向き直り言葉を続ける。
「礼を言うぜ。団長さんよぉ。あんたは、確かに答えをくれた。」
まさかその答えと同時に、【答えの根本】が現れるたァ予想外だったが、と悪狼は言葉を続けながら、
だがよと笑う。
「これで、少なくとも、かの悪竜王さえ従う何かがいることははっきりしたわけだ」
「そうだな。」
「くはは!しけた面すんじゃねぇよ!あんたの意見確かに頂いたぜ。俺は【この姿として形をとった理由を知りたかった】その理由の答えを確かにあんたはくれたんだから」
だから礼の変わりに、あんたら生者に忠告を。
ふっと真剣な表情になって悪狼は続ける。
「復活者は其々が、意思を持って動いている。一定の生者を害するという指向性をもっていても、最終的にどうするか選び取るのは復活者自身だ。だがよ。…もしも、俺たちが作られた存在なのだとしたら、その指向性を強められたとしたら…」
「…更に凶暴な復活者が現れたり、戦線が激化するといいたいのか」
「ああ、復活者の【意志】とは別の部分でなァ」
例えば、意思を【操られたり】してなと
最悪の仮定だが、ないとも言い切れねぇだがよと悪狼は続ける。
「例え、操られようとも、俺は最後まで悪として喰らい蹂躙し、生き果ててやるぜ!」
「そうか…それがおまえの【答え】か」
ぱさりと尻尾を振って、悪狼は答えず、ハロルドへ背を向けひらりと手を振る。
「じゃァ、な。団長さん。次は戦場で逢おうぜ」
「逢いたくはないがな」
「くはは!ちげえ、ねえ」
あーそういやと言葉を続け悪狼は笑う。それは何処か純粋な笑みに見えた。
「俺は悪だ。悪にしかならねえ。だから、あんたら生者が見せてくれよ」
――――悪が正義に倒されるつう、物語を
その言葉を最後に、完全に気配はその場から消えた。
---------------------------------------------------------
(illust/64614341)→(illust/64687132)の流れを受けて描いたもの。
ハロルド団長の答えに悪狼なりに応えてみた話。
何かあればパラレルスルーでお願いします。
これにて3章の投稿は最後になります。返し切れなかった交流や投稿は次章にまとめて返したいです。
◆お借りしました!
ハロルドさん(illust/64000088)
打ち振るう者ドグラビールさん(illust/64585171)
帝国ネズミさん達(illust/64584269)
公式:悪竜王マグナガラム・復活の王子エノ・転生王ディバイン(illust/64641999)
◆悪狼(illust/64396845)
2017-09-02 06:30:07 +0000