【九十九路】薬師【アフター】

弥生
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九十九路の羅針盤|illust/60865485



「私はしがない旅の薬師にございます。
 それなのに、皆様こぞって私を悪人だの罪人だの罵ってきて……ええ、ええ、良いのです。それで皆様の気が晴れるのでしたら、私は罵倒も責苦も甘んじて受け入れましょう。
 ……ああ、心配してくださるのですか。何て優しいお方でしょう。貴方のような人が伴侶でしたら良かったのに。ふふ、何て冗談ですよ」



                    


「なあんて言うとでも思ったか?」



薬師 スフレトリール
中性|50代|169cm
明星|700pt【強靭:0 知能:550 器用:80 機敏:60 幸運:10】
一人称:俺
二人称:お前
前期|illust/63771782

蔓の子【illust/61349964】と呼ばれる種族の血を引いた薬師。
三十年経った今でも変わらず各地を旅している。
変わったのは、薬よりも専ら毒薬を扱うようになったこと。そして、自らもそれを使用するようになったこと。
毒の方が圧倒的に稼げると気付いた。
そしてより良い毒を作るには、実際に使って確かめる必要があると考えた。
そのために貞淑な女を装い、人に愛想良く振る舞っては騙して毒を盛る。
恨みを買うことも増えたが、どのような報復を受けても全て愉快だと言って笑い飛ばしており、反省する様子は一切見られない。
客には薬師とだけ名乗り、本名は口にしない。
最近は他人に毒を使うだけでは飽きたらず、微量とは言え自ら毒を服用するようになった。
そういった行動から徐々に毒への耐性が付いているものの、一方で確実に寿命を削っている。
それすら当人は気にせず、自分のために毒を飲み毒を売る。


「アハハッ! 何だ、お前も毒を買いに来たクチか? 良いぞ良いぞ、俺は今すこぶる上機嫌だからな、少しまけてやろうじゃないか!」
「おっ、何だ文句か、説教か、それとも助言か? まあどれでも同じことだ、一頻り吐けばお前も満足するんだろう。毒は溜め込むより吐くものだからな」

「家族? ……ああ、阿呆が一人いたが、今はのんびりしていることだろうよ。詳しくは知らん。俺には関係の無いことだからな」


*

ご縁をくださった
ハルアさん|ひなた様

本当にありがとうございました。

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2017-08-21 12:05:41 +0000