:::♘きみの存在に恋をする。2様【illust/63789348】
※NL・BL・GLありの企画になります※
「一歩踏み出す勇気が出ない?それなら僕とちいさな賭けをしてみようよ」
:::♘バカラ/10歳/134cm/一人称:僕/二人称:きみ、呼び捨て/誕生日:雪月の第九日
健全かつ良識のあるゲームマスターおよびディーラーの育成支援を目的とした協会
《ジョックバンビーノ》の現代表の子。自由気ままなひとりっ子。
現在幹部見習い、次期代表候補であるがこのままだと座が危ない。
:::♘現在は親元を離れ、協会の支部増設をねらい都市を転々とする幹部の大人たちについてきている。
ふらりと遊びに出掛けては同世代の子どもに声をかけ、ちいさな賭け事に誘うことがしばしば。
(賭け事=引いたカードが黒だったら好きな子に告白する!など)
「遊び好き」が功を奏し他者と打ち解けるのは早いが、
「自信家」が災いし自信満々な物言いをしてしまうのが玉にキズ。
:::♘(8/22)心から愛しいと思える方に出会いました。共に成長していきます。
ユニスさん【illust/64519214】
生まれてはじめて降り立った、
黒猫みたいな闇が寝ころがる街エドガード。
面白そうなものはあるかな、と辺りを見回し、「また遊ぶことばかり考えて」と小突かれるのにももう慣れた。
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚
――燦爛たる移動遊戯場。それぞれ笑みや口惜しさを浮かべ、群衆が入れ替わり立ち替わる。
そんな色めく大人たちの身躯のすきまから、様子を伺う子どもがひとり。
それがユニス。きみだった。
あのとききみの存在に気づいた僕を、大人になった僕はきっと生涯讃え続けるだろう。
「興味ある? それならほら、もっとこっちへおいでよ!」
このとき僕に力いっぱい手を引かれたきみが、
このさき僕の心のすべてをさらい、変えてしまうなんて、いったい誰が想像できただろう。
「はい!ルールはもう完璧みたいだね。じゃあこの勝負、プレイヤーとバンカーどっちが勝つと思う?
あ~いや待って。何かしらご褒美があった方が盛り上がるかも。
それじゃあ賭けて当たった方が、負けた方に何かお願い事ができるってことにしよっか!
……えっ?僕の負け?」
「ユニス! ほら見てよこれ、僕エドガードの端までお使い頼まれちゃった。
けどね、知らない場所だし、僕だけじゃ辿り着けない気がするんだ。
だからつまりー…一緒に来てくれない? きっと楽しいよ!だって僕がいるんだもん」
「ただいまユニス!ただいまエドガード!
はい、これ今回の旅のお土産!どうどう?ちなみにこれはね~…
……きみ、そのうち僕のお土産ですっぽり埋まっちゃうんじゃないかな」
「ユニス、なんだか前よりもっともっと柔らかく笑うようになった?
うん。僕もこういうの、少しは気づけるようになってきたみたい。だれかさんに力を分けてもらったのかも」
「ユニス、ねえユニス」
「ユニスってなんでも気づいちゃうんだね。……僕、きみの前じゃ変な顔できないよ」
会えば会うほど、離れたときにさみしくなる。
青い海を見て、赤煉瓦の街並みを見て、七色のオーロラを見て、ここにいないきみを想った。
遊ぶなら、やっぱりきみがいいな。
……嘘ついちゃって。遊ぶなら?遊ぶだけなら今まで誰とだってしてきたじゃないか。
これは僕の心の中。かっこつける必要なんてない。本音を言えよ。本当に思ってることは?
――きみが、きみの存在が、僕にとっては特別みたいだ。
きみがここにいたら、とは言えず。
僕はその言葉を飲み込んだ。
。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。・゚・。。・゚
あの日きみの口から出たのは 信じられない台詞だった。
鏡の前に立っていなくてもわかる。
僕のふたつの眼はこぼれ落ちそうなほど大きく見開かれていたに違いない。
もしも今僕の手の中にカードの山があったなら、
きっとばらばらと床に散らしていただろう。
歓喜に震える指先を、声を、唇を、僕は抑えるのに必死だった。
「……わかった。いいよユニス、今からちいさな賭けをしよう。
もしきみが勝ったら、僕は大人になったきみをさらっていく。
そのかわり 僕が勝ったら僕のお願いを聞いてもらうからね。
覚悟はできてる?」
余裕ぶった笑顔、ちゃんと作れてたかな。
勝っても負けても――僕の心は決まっていた。
「それ」以外、考えられなかった。
こんな僕のために一歩を踏み出してくれたきみが。
ユニス、きみが愛しくてたまらない。
:::♘
その他何かございましたら、お手数ではございますがご一報下さいませ。
宜しくお願い致します…!
2017-08-18 08:00:04 +0000