【九十九路】クエルボ・ヴァスィリーサ【最終期】

蒼幻しいか
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最終更新日:2017/08/11 ※キャプション更新しました
■企画:九十九路の羅針盤illust/60865485

名前:クエルボ・ヴァスィリーサ(カマル・マレカ)
年齢:49歳 / 性別:両性 / 種族:マッドネスクロウ(半妖)
一人称:私 / 二人称:汝(うぬ)(主に対してのみ「ご主人様」) / 口調:寡黙。高圧的な態度は相変わらずだが、覇気がない。

羅針盤:太陽 / ポイント:300P(S150/I30/D30/A45/L45)
初出:第5期(illust/63209764

■7/31 素敵なご縁を頂きましたヽ(´▽`)/
華やかな笑顔が素敵な好青年、花贈りのヴァイドさん(illust/64047194
街中は『声』であふれていた。
種族柄、死した魂の声も聞く身……しかし、日に日にそれが生者の声か魂の声かわからなくなっていた。
だから街中は『声』であふれている。喧騒を嫌い、外出は避けていたが…なぜか、その日は外を出歩いていた。
もしかしたら呼ばれたのかもしれない。彼の周りに漂う、楽し気な『声』の数々に。

「あ…あぁ、悪い、じろじろと…。…目尻羽、と、今言ったか?ならば知っているのか、『私たち』が、本能的に無視できない『声』があるのも。汝の周りは楽しそうな『声』であふれていたから、少し気になっただけだ」
「花…私に、か?あいにくだが、私は自由に使える金銭を持っていない。そもそも見ず知らずの者から物を貰って、ご主人様が許すかどうか……」


それから彼とは何度か会った。
彼はとても……良い意味で好奇心旺盛で、物事をよく知っていた。
見る限り彼はまだ若い青年だろう。自分のような年の離れた者に対しても親し気に接してくれる。
会って他愛もない話を少しするだけだったが、穏やかに流れる時間は好ましいと思っていた。

「ヴァイドの周りはいつも賑やかだな。汝に続く路が暖かなものであったから、汝もまた暖かな魂を持ち、周りのものを笑顔にするのだろう。…私には縁遠い、眩しすぎる生き方だ」
「好きな色……赤は、今のご主人様の好きな色だ。…私の、好きな色?……さぁ、主の好きな色を選ぶことしか考えていないから、よくわからないな…。服装も、髪型も、そう」
「好きな食べ物……好きな、花……ご主人様のならわかるが、自分のことはよくわからないことばかりだ。…わかった、次に会う時までに考えてこよう。しかし、汝も変わり者だな。私のような年長者と話していても、面白くないだろうに」


彼の言葉に自分を考えるようになった。
しかし、それは自分の正体に気づく時でもあった。
約30年間、ほとんど変わっていない外見。性別があいまいになってしまった身体。
噂で聞いていた妖となった烏の特徴と、脳裏をかすめるその末路。
急に覆いかぶさろうとしてくる不安から逃れたくて、気づけば彼を探して飛び出していた。

「ヴァイ、ド……!私は、わた、し、は……」
「博識なそなたなら知っているだろう、妖に堕ちる、マッドネスクロウがいること。その末路は、視力の喪失と世間への、無関心……。私は、その妖だった。ヴァイドに言われて自分を省みるまで、気づかなかった」
「妖となること自体はさして興味がない。だが、妖になればそなたが見えなくなる、そなたに対する興味も失くしてしまう、それが…すごく……怖い」
「私は、そなたをもっと知りたい。主に気に入られるためのとは違う…ような、この気持ちを失くしたくないんだ」


■人物像(補足)
クエルボ・ヴァスィリーサは本名だが、主に名を与えられた場合はその名前を名乗っている。
劇団所属時に名乗っていた「カマル・マレカ」には特別な思い入れがあるらしく、今は名乗ろうとしないらしい。

主との関係も良好だが、今の主は高齢のため次の主となる相手を探さなければならないとぼんやり考えているが、
何に対しても意欲的になれず、なかなか行動に移せないでいる。

主の望む姿で、望む態度でいることが飼われている側の役目だと思っており、
そこから逸脱していないかのみに固執し、自らを省みなくなった。
ゆえに、自身に起きている変化にまだ気づいていない―――。

■種族:マッドネスクロウ(半妖)
目元に生える羽根(目尻羽)と黒い鳥の翼が特徴のカラスの亜人。
この世を離れる魂に別れを告げる種族と言われており、人や物の魂とわずかな時間会話する能力があり、
また本能的にその声を無視することができない種族。
よく葬儀場やゴミ捨て場でブツブツ喋っている姿を目撃されるため、彼らをよく知らない者からは気味悪がられている。

わかりやすい特徴である目尻羽(めじりば)は、隠してもはみでてくるし、切ってもすぐに伸びる。
抜いても即新しものが生えくる…と非常に逞しい生命力で存在を主張してくるため誤魔化すことは困難。
目立つ特徴と本能による習性のため正体を隠して生きることも難しく、自然と人目を避けて暮らすようになった。

突如老化が止まり、長き時を生きる妖となりつつある個体。
性は雌雄一体となり、伴侶の性別に合わせて自らはどちらの役割をも果たすことができる。
彼岸を見るためか、やがて視力を完全に失い、死者の声を聞くことに特化した身体となる。
生と死の境界があいまいになり、自分がまだ生者であることを忘れ、現世離れを引き起こしていく。

彼の場合はまだその過渡期にあるため、視力が徐々に落ち、世間に興味がもてなくなりつつある段階。
老化は完全に止まり、性も雌雄一体の両性となっている。が、本人はまだ気づいていない。

■3日以内の返信を心がけておりますが、週末までお時間をいただくことがございます。
スタックにつきましては48時間以内の更新を心がけておりますので、スタックに動きが無ければ不着とみなし、再送をお願いします。

■ナニカ問題がございましたら、ご指摘をお願いします。
背景、テクスチャ等に素材をお借りしております。

視力を失うその時まで、そなたと花々の姿を脳裏に焼き付けたい
光が届かない視界で生きることになっても、そなたの顔を忘れないように

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2017-07-19 16:53:26 +0000