「きっと、歩き疲れてしまったんだよ。眠れる場所を 探しているんだ」
◇name:銀の夢守り(しろがねのゆめもり)
age:不明 / sex:中性 / height:170cm程 / 羅針盤:月光
point:475pt( 強靭:15pt 知能:140pt 器用:35pt 機敏:15pt 幸運:270pt )
◇前期【illust/63389635】
かつて「銀の守り手」と名乗っていた銀の瞳の者。
哀しい気持ちを知るために「出会う」ことをやめ、「別れ」だけを繰り返しながら宛てのない旅をしている。
持ち歩いていた「日記」はどこかで失くしてしまい、今の持ち物は魔法の青いインクの小瓶のみ。
インク鳥は眠り続けているもののどうしても手放せずにいる。
「別れ」を探しながら、静かに眠れる場所を探しながら、今日もどこかをふらふらしている。
「やめたんだ、出会うことは。 別れが惜しくなるから、ね」
――――――・・・
◇素敵な絆を頂きました
そのぶどう色の妖精は 僕にないものを すべて持っていた。 そう、見えた。
小さな冬の白に 春の木漏れ日が射すような。これはそんな やさしい最後の「おやすみ」までのお話。
◇フィンナさん【illust/63822361】
「ラグレ、タリア…?」
小さな鳥の最期を見届けたその街は、どうやらそんな名前らしい。
声をかけられ視線を向けると 観光大使を名乗る小さな妖精が、ひとり。
「おまじない」と言って大きく圓を描く彼女の姿は 何故か目が離せなかった。
「てっきりあの小鳥の友だちなのかと思ったよ。そうでなければただの…オヒトヨシ?って言うんだっけ」
「『別れ』だけを集めるのはおかしい?でも、確かに…いただきますの前からごちそうさまは言えないね?」
「出会うのはやめたんだ、やめたんだけど… …あ、でも今、こうして話しているね、キミと」
気付けば街は陽が落ちかけていて。じゃあね、と別れを告げようとすると、
彼女はひとしきり僕の周りをああでもないこうでもない、とぐるぐる飛びまわって それから。
「とびきりのシチューとふかふかのおふとん」が待っているという場所へ 案内してくれた。
誰にも聞こえないくらい小さかったけれど 確かにお腹が きゅう、と鳴った。
◆
忘れかけていたことが たくさんあった。
青い友達に教えてもらったキャラメルの味。黄金の子といっしょに作ったシチューの味。
そして何より 共に過ごした 短いけれど、大切な時間。
いつからだろう いつから僕は 『迷子』 になっていたんだろう?
ぶどう色の妖精―フィンナと過ごすうちに、大切なことを少しずつ思い出せた。
「日記」はどこかに きっと遠くに 置いてきてしまったけれど。
書き記さなくても、キミが覚えていた。僕のことを、キミが見てくれていた。
「シロ」と呼んで 隣にいてくれた。
それだけで 良かったんだ。
笑うことも増えた。これもきっと、キミのおかげ。
時には分かれ道で杖を倒してみたり、時には危険な缶詰の蓋を開けようとして爆発させたり。
友達に手紙を書いてみたり、「おまじない」を教えてもらったり…数えきれないくらい、たくさん。
でもたくさん笑うと、歩くと、体がずしりと重くなる気がして。
眠くなって、夜になると目を閉じることが多くなった。
どうして、とは考えなかった。「旅のおわり」が近いのだと わかっていたから。
◆
「ねえ、僕のおねがいを聞いてくれる?」
僕が眠る前に。最後の最後まで キミに。
見ていてほしいと思ったんだ。ああ、きっと この気持ちが。
「きっと僕は もう長くない。だから、フィンナ、あのね」
「僕の最期を、見届けて」
誰かを好きになるということ。
大切なひととの別れを「哀しい」と思うこと。
「いつか来る最後の『おやすみ』を キミに言ってもらいたいんだ」
◇三期からの参加でしたが、これまでご縁を頂いた タオさん/佐さま、黄金羊のホロさん/なとさま、
ご覧くださった皆様、そして主催様に感謝を込めて。ありがとうございました!
――――――・・・
◇九十九路の羅針盤【illust/60865485】
◇問題等ありましたらご一報ください
2017-07-16 14:42:09 +0000