【九十九路】ウィンテルスコーグ【第五期】

うづら
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◆失せ物預かり所 ウィンテルスコーグ
羅針盤:明星 175pt 10/100/50/10/5

「ようこそ、ミスター。ま、難しい話は後だ、とりあえず一杯やって行きな」

持ち主の手から離れた遺失物を蒐集し、保管する「失せ物預かり所」。
失くしたものの価値に見合った対価を支払えば、いかなるものでも―命以外ならば―その手に取り戻すことができると言われる。

当代、店の収蔵品は目まぐるしく入れ替わっている。
「勤勉」な店主が呼び込む客が火種をうみ、争乱はまた多くの遺失物を店に運ぶ。商売繁盛、である。

◆店主:カッラ・エルド・ウィンテルスコーグ

当代の失せ物預かり所店主。元はソノピノの平凡なグロサリー店主である。

店主となった経緯は少々不本意ながら、働かざるもの食うべからずを信条とする彼女は非常に勤勉である。
少々(かなり)仕事の後と前の嗜みが過ぎる点を差し引いても。

人にとって勤勉は美徳であるが、さて、それが魔女となるといかがなものか。

「こんなとこで引きこもってちゃ凍えちまう。さぁて、そろそろ火に当たりに行くとしようかね」

◆前期:リュッカ=シェーナ(illust/62732372
「『赤字を出したら店を返す』、それが約束だったな。さ、今月の帳簿見せてみな。
クソみたいな売り上げだったらそのすました顔に蹴りのひとつも進呈して…チッ、随分儲けてんじゃねーかクソガキが…」

◆ 前期絆:満腹の国ソノピノ プロキオンさん(illust/62666478
「よぉ、“元・一番星”ミスター・ピノ、いつも結構な肴をありがとうよ。…なんだ不服そうな顔して」
◆前期絆今期:満腹の国ソノピノ プレアデス(つぼみ)さん(illust/63163875
「耳元で喚くんじゃないよ、ババアじゃねぇんだ聞こえてる。酒置いたらさっさと帰んな鬱陶しい」
「…あのチビ最近ご無沙汰だねぇ、たまには煩いのも来ないと張り合いが…あ、酒切れた」

◆腐れ縁?:プロッカ(illust/63163875
「片っ端から酒飲んじまいやがってテッメェ…次やったらその羽根もいで本の栞にしてやるからなこのクソチビ!!!」

◇ウィンテルスコーグの魔女
失ったものへの執着心を介して他人の運命に干渉する者達。
冬の森の番人である彼女らは一様に火種を愛する。不和の種、争乱の種、時に一国をも呑み込む、炎の種を。

「あはは、ごきげんようミスター。夜だってのに随分明るいことで。酒盛りが捗る、そうだろう?」

☆6/13 素敵なご縁をいただきました!
業欲王 シェハルリヤール様illust/63315593

「アッハハハハ!こりゃあ恐れ入った、歩く火種が自らご来訪とは!!」
「ここは失せ物預かり所ウィンテルスコーグ。歓迎しよう、ミスター・シェハルリヤール。
そして聞かせて貰おうか、天下に名だたる業欲王の欲する『失せ物』とやらを」



「…普通ならまぁ、聞くまでもないんだがね」
「なにしろアンタときたら―一体うちにどれだけ流れ着いてると思ってるんだい」
「ウィンテルスコーグ冬の特別企画『業欲王の秘宝展』が開催できちまうぞ、全く」
「ま、とりあえず一杯やっていきな。ヒッポカムポスの酒はお好みかい?」



「あははははははは!!!冗談だろう、1人の女と、交換日記だって?!!百年!!っくはははははは!!!」
「まさか手ぇ付けてないなんてこと…待て、その先は言うな、ことによっちゃ笑い死にしかねん」
「ところでさっき来た女は何番目だい?いやあ惜しかったね、
アンタの腹の傷が増えるところを特等席で見物できるいい機会だったんだが。店の床が汚れちゃ掃除が面倒だし」
「さあ、余興の後の一杯といこう。ちょうどソノピノから肴が届いたところだ」



「ミスター。店を手伝ってくれるのは助かるしアンタが居ると酒の肴にゃ事欠かないが、こうも居座られちゃあね。
うちの収蔵品にでもなるつもりかい?うちは生きてる人間はお断りだ、棺桶に入ってからなら面倒見てやらんでもないが
―ああ、奥にあるよ、それ用の部屋が。覗きたきゃ覗くがいいさ、趣味のいい部屋じゃないがね、アタシが言うのもなんだが」
「しっかりしとくれよ、そんだけ生きてりゃボケるのも無理ないが、ボケた爺と飲む趣味は無いよ」
「―ああ?」

「あんなもん、アンタにゃいちばん不要なガラクタだと思ってたよ」
「まだまだだねぇ、アタシも。…チッ、先代が鼻で笑ってやがる」



「フン、爺の泣き言はつまらん。青臭い話は耳が腐る。全か一かの問答も御免だ。
まぁ、アタシは月が好きだがね。皮肉じゃあない、たまには火の側より月明かりで飲みたくもなるさ」

「さて」

「国なき王、稀なる客人よ、酒は尽きた。――幕引きを」




「貴殿の路、冬の森の魔女が確かに受け取った。"業欲王"ミスター・シェハルリヤール」




「断る」
「なんでそんなもん」
「いい加減にしろおい」
「誰が受け取るか…って胸にねじ込もうとすんじゃねぇよこんのクッソジジイ殺されるか引っ込めるかどっちか選べ!!!」
「…ハァ」
「アンタに向かって講釈垂れる気はないがね」
「労さずして叶う望みにどんな味があるってんだ。御免だね、酒がまずくなる」

「クソッたれが。卑怯だよ、それは」



「『酒杯にかけた手だけがまこと』」
「『盃は満ちる、酒が甘かろうと、苦かろうとも』」

「酒と盃が繋いだ誼だ。とりあえず預かってやるさ、その後は知らん。何が宝だ、特大の災厄寄越しやがって」




「冬空にさそりの尾は見えず」
「ならばそうだな、せめてここから杯を」
「劇場の外でも喝采は聞こえよう」




「『――すべて一場の夢』さ」

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2017-06-04 16:38:34 +0000