【九十九路】アフティ・マガジニー【第五期】

森子
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新規家系(分家)になります、併せてよろしくお願いします。
アフティ・マガジニー
18歳 男性 185cm 俺(実家では私)/あなた
ポイント100pt(強靭:0 知能:75 器用:25 機敏:0 幸運:0)
「“変える”だけが進歩ではないと俺は思いますよ」
アーベンノヴァで倉庫業を営む男性。 主に美術品・書籍・酒類の預かり・保管を行う。地下に作られた倉庫は暗く、両国で共同開発された空調機械によって適切に管理されている。明朗で交流好き。地下で昼夜関係ない生活を送りながら客を待っている。
種族参考:ベンジャー一族【illust/61283320】、ウェールルプス【illust/61283472】、宝兎利の民【illust/61214338】、ピトリス【illust/61563083

母:圓呪術の街(第四期) タフテラ・ラグレタリオス【illust/62755746
きょうだい:圓呪術の街(第五期) マティ・ラグレタリオス【illust/63162591】 キリオス【illust/63182035
所属:宵暁の国 アーベンノヴァ【】(確認、了承済み)

▼素敵な絆を結んでいただきました
癒し栗鼠の集う森国・アンジュ 霄聖鞍壽絃月様illust/63162736
暗がりに現れた小さな影。迷い子かと思ったのは早とちりで、
小さなレディはうちの“常連客”となった。
「おや、こんな小さな店の名がアンジュにまで届いているとは光栄です。
 どうぞ奥へ、詳しい話を聞きましょう。暗いので気をつけて」
「……もしかして連れているのは玉燕ですか。
 懐かしいな。母方の故郷はホウライと縁があってね、
 どの家にも玉燕と竹の灯があるんですよ」

それからも彼女は依頼のない時も頻繁に訪れた。
その手にはいつも土産物があって、初めこそ随分と律儀なと感心していたが、
どうも義理というよりは癖なのだろうと思い至ったのは何度目のことだっただろうか。
「お茶を淹れましょう。今日はどれがいいですか」
彼女が贈ってくれた茶葉を並べ、彼女が持参したお菓子を広げる。
男一人住まいでそうそう消費できるわけもなくどんどん増えていってしまった。
繰り返すささやかなお茶会。俺のことを聞きたがるときも、自分の国のことを話すときも、
彼女はいつでも楽しそうだ。その様子を微笑ましい気持ちで『眺め』ていた。
「倉庫屋だけでなくて喫茶店を始めてしまってもいいしれません……なんてね」

彼女の贈り物は飲食物に限らない。
どこにしまったものかとひとまず部屋の隅に積み上げた山に向かいながら、 それでも
処分しようという気が起きないのはどうも性分だけのせいではないのだろうと自覚する。
「――アンジュさん? ああ、そろそろじゃないかと思ってました。
 待って、動かないで。今明かりをつけます。
 どうです、少しは動きやすくなったでしょうか?」
「最近自室の方がなかなか片付かなくてね。こんな商売をしていながらお恥ずかしい。
 あなたが怪我をするといけないと思って知り合いに頼んで用意してもらったんです。
 アンジュさんにはまだ暗いと思いますが、これ以上強くすると
 今度は俺の居心地が悪くなってしまうので許して下さいね 」

「文字通り『気持ちだけ』で良いのだと思いますよ」
彼女の好意の示し方は時に疑問を持たれたり窘められたりするらしい。
それはそうだろうな、と相変わらず片付かない山を思って内心苦笑しながらも、
彼女の素直さが羨ましくもあった。努力に気付かれぬよう、挫折を気取られぬよう、
隠して誤魔化して流して。そんなことばかり得意になってしまった。
そのやり方が悪いとは思わないし上手くやってきた自分は嫌いではないけれど。
気持ちを伝えたいと、相手を喜ばせたいと行動に移せるのはきっと素晴らしいことだ。
「そうですね、では手紙はどうでしょうか。『時は金なり』と言うでしょう。
 金品そのものを渡さなくとも、相手を想ってそのために時間を使ったと……
 それでも十分に気持ちは伝えられるんじゃないでしょうか」

「これは前にもらった手紙の返事です。……ああ、じっくりと読まれると恥ずかしいな。
 実は長い文章を書くのはあまり好きじゃないんです。上手に書けないのがばれてしまうから。
 でも当たり障りない言葉で短く締めるなんて勿体なくてできなかったんですよ」
突き詰めてしまえばたった二文字、あるいは五文字。
それを表現することを躊躇って、代わりに別の不格好を晒してしまう。
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「たまには俺からねだってみてもいいでしょうか」
「家、なんですけれど。美しい緑が茂る土地に、
 テラスにはあなたの好きな花を植えて、地下室にはあなたからの贈り物を飾れる棚をつけて。
 キッチンは広めがいいかな、尾を引っ掛けたりしたら危ないから。
 ……そんな『あなたの国であなたと暮らせる家』なんて、ちょっと我儘が過ぎるでしょうか」
彼女の様子を窺う間もなく嬉しそうな声が返ってくる。
頬に手で触れて寄ればきらきら輝く表情が見えてつられて目を細めた。
太陽の下で生きることが叶わなくても、俺のとなりにはこんなに明るくてあたたかな人がいる。

「アンジュさん、俺はこの国では一人で満足に暮らすこともできません。
 街も社会もそういう風に出来ていない。
 ……だけど、だから、あなたはずっとそばにいて俺のことを助けてくれるね?」


▼次世代
息子:霄聖 行壽 絃月様【illust/63642786
娘 :霄聖 葉趣 絃月(ハシュ)【illust/64018457

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2017-05-31 15:57:16 +0000