◆九十九路の羅針盤【illust/60865485】参加させて頂きます!
◆組織名:デンテ・ディ・レオーネ
◆代表:レミニッシェンツァ
月光の羅針盤 ポイント:100pt
中性(無性別) / 95歳 / 169cm / 一人称:僕 二人称:貴方
◆前期:レミニッシェンツァ【illust/62205808】
◆前期絆相手:常夜の薔薇城 / 白薔薇姫マリア様【illust/62188261】
◆前期絆相手今期:【illust/62842520】
「青バラのブローチをつけているとなんでもできる気がするよ
青バラの影響かマリアの影響か。いや…どっちもかな。心強いよ、マリア」
★組織と妖精の詳細な設定は、こちらをご覧ください
デンテ・ディ・レオーネについて→【novel/7896285】
◆素敵な絆を結んで頂きました(5/7)
記ノミヤ / 茜さん 白藍さん
【illust/62667150】
この先消えてしまうならそれまでどうやって生きようか?
レミニッシェンツァはずっと考えていました。
彼が記ノミヤへ訪れ茜と白藍と出会ったのは、そんな時でした。
最初に会ったのが穏やかで聡明な茜。
後から会ったのが不器用でこもりがちな白藍。
違うけれど、どこか似た境遇に居る三人。
これは、その出会いと別れ、そして先へと続くおはなしです。
゚・*:.。. .。.:*・゜
「やあやあ初めまして、僕はレミニッシェンツァ。君は……茜、良い名前だね。
君は青いけど名前と合わせて黄昏時の色だ。この国の色、すごくきれいだと思うよ」
「旅の話ならよろこんで!どこから話すか悩むけど。そうだ、黒曜の森を知ってる?君と似た角を持つ人々がいてね…」
「あれ、茜……じゃないよね。君の名前は?
えっちょっと待ってよどこ行くの!名前聞いたんだけどさ!ねえ!ちょっと!!」
「白藍っていう色があるよね。あと文字を分けたら白色も藍色もできるし、3色感じられるってすごく良いなあ
あ、これ?薔薇ジャムだよ!おいしいんだ〜後でパン用意するね!」
茜の紹介で出会った白藍の態度に、ああ、単なる仲の良い兄弟ではないということはすぐに見て取れました。
白藍は茜の話をするととても嫌がるのに、茜は白藍の話をすると嬉しそうに聞くのです。
妙に思ったレミニッシェンツァは、外部からきた何もしらない立場であることを盾に、様々なことを尋ねました。
そして辿り着いた答えに、ただただ、寂しいと思ったことを覚えています。
「ねえ白藍、君は本当にこのままでいいの?
茜とちゃんと話もしないまま大祭を迎えて、一緒に消えて、それが君の納得する答えなの?」
「僕は茜にだって同じ事を聞くよ。だって二人とも勝手だと僕は思うから」
(白藍怒ったかな。ううん、傷つけちゃったかな……ごめんね)
レミニッシェンツァは自分が心底勝手な事を言っているとは分かっていましたが、それでも、黙っていられませんでした。
二人が消えてしまうのが嫌だといった感情や、この状況のもどかしさと共に
二人が納得する答えであって欲しいという想いが、そこにはありました。
それは自分と重ねたから。自分らしく生きることを、肯定したかったから。
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茜は、レミニッシェンツァが旅の話をすると嬉しそうに聞いてくれました。
でもその後ろに、なにか感情が複雑に渦巻いている印象をレミニッシェンツァは感じました。
「そんな旅が、できたらよかったのに。」
その言葉に無責任に「できるよ」と言う事はできません。
むしろ旅の話をする事が茜を苦しめやしないか…とすら考えていたくらいでしたから
白藍の考えた方法はレミニッシェンツァには思ってもみなかったことで
それは、すごくすてきな事に思えました。
「物語!物語かあ…!それって白藍と茜のことも書くんでしょ?
じゃあ、僕たちが今話しているこの瞬間も、実は旅の途中ということだね!それってすごく面白い!」
「茜、僕たち旅に出ようよ。物語ならどこにでもいけるし沢山の人に会える。
世界は無限に広がっていて、空は地平線の先にもずっと繋がってるんだよ。……どう?」
「僕は白藍のことも茜のことも、ずっとずっと覚えてるつもりだけど……
もし忘れてしまっても、物語にはちゃんと存在してるんだ。僕も君も。それなら心強いね」
それからはほとんど毎日、旅の話をしました。
今までの路。出会った沢山の人々と思い出。その中にはもちろん記ノミヤでの話もありました。
最初のそっけない態度からは想像もつかないくらい、一生懸命術を術を学ぶ白藍の姿。
初めて術を扱えた日、思わず泣いている白藍の背中を何度も叩いて「できるじゃん!」と言ったこと。
やっと友達と呼んでくれたこと。
「なにいってるのさ、ずっと前から友達でしょ。」
゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜
別れの際に貰った品をぱらぱらとめくっていると
2人分の手紙が1つにまとめて挟まれていました。
沢山言い返したくなるような内容なのに、直接言わないで「気恥ずかしいから」なんて。
「返事もさせてくれないなんて、ひどいなあ」
さわさわと鳴る木の葉の音を聞きながら、そう呟きました。
さようなら。ありがとう。そして、またいつか。
2017-04-30 16:54:53 +0000