【九十九路】星漕ぎの渡し守【第三期】

水浦
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九十九路の羅針盤【illust/60865485】三期にお邪魔します。

□組織 星漕ぎの渡し守(ほしこぎのわたしもり)
□組織長 アダリオス
ポイント 35pt (強靭:0 知能:10 器用:10 機敏:15 幸運:0)

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前回投稿:デネヴィレオ【illust/61215035
前回絆相手:【星細工の国ア・ストリア】アリエス・ア・ストリア・ルヴァンさん【illust/61363818

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□4/4 素敵な絆を結ばせて頂きました!
【カミの島 パークラフ】ペールセゾン・パークラフさん【illust/62190950

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 ある夜、新しい仕事が飛び込んできた。文字通り"飛び込んできた"という表現が正しい。彼は突然、出航する直前だった僕の船に乗り込んできたのだ。金品を狙って船を襲撃しに来た賊かと身構えたが、彼の立ち振る舞いや表情が余りにも…無邪気な子供の様で。警戒心は一瞬で解かれてしまった。

 街で聞いたという『星を漕ぐ船』の噂を気に入ったという彼は、屈託のない笑顔で『ペールセゾン・パークラフ』と名乗った。

 依頼主である彼の夢は、自分の島の『紙』を世に広める事だった。名産であるというその紙は、実用だけでなく観賞用にも優れた良質なものだったが、外部に買い手が付いていなかった。彼の島は、海を遠く超えた先の小さな島で、物を運ぶ手段に乏しく、人すら容易に立ち寄る術がないほど辺境にあった。交通手段が確立されていなかったのだ。

 そこで彼は単身で島を離れ、販路を開拓することにしたらしい。自島『パークラフ』の紙を広める手段として、運輸業を営む僕ら『星漕ぎの渡し守』に依頼を申し込んできたのだ。

 新規の依頼は組織長である僕にとっても、有難いものだった。現在の『星漕ぎの渡し守』の主な取引先の全ては先代組織長からの引き継ぎのもの。自身の気弱な性格が災いしているのか、自分の代になってからは新規の取引が決まらず、物流企業としての事業拡大は伸び悩んでいた。島一つ分の運輸を独占できる大事業、飛びつきたくなるほど良い依頼だ。

 しかし、リスクが無いわけではない。依頼主である彼は輸出経験が浅く、彼の島の周辺は見知らぬ土地である。どんな問題が起こるか正直解らない…が、

(何故だろう…この依頼は上手くいく気がする…)

 謎の予感があった。普段は慎重で、安全である理由が見つからなければ手を出さない『臆病』とも言える自分が。「この依頼は受けてもいい」「きっと大丈夫だ」と思える何かがあった。この予感が何処から来るのか、それを何と表現したらいいのか僕はまだ解らない。でも彼…『ペールセゾン』の持つ何かに自分も感化されている気がした。

「分りました、その依頼…僕ら『星漕ぎの渡し守』がお受けします」

 そして僕は彼と共に未開の『道』を繋ぐ――

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「ええ…っ!ど、どちら様ですか?というか何処からこの船に乗って…!?
はい、確かに僕が『星漕ぎの渡し守』ですが……何かありましたか?…ああ、依頼ですか…良かった…てっきりこの船を乗っ取りに来た賊かと…ペールセゾンさんと仰るんですね…何だか凄く……お元気ですね……
僕の名前はアダリオスです…『星漕ぎの渡し守』の組織長をしています」

「安全なルート、ご存じなんですか?そんな自信たっぷりに任せてくれと仰るのなら…信じてみましょうか」

「あああああ!全然!駄目じゃないですかあ――っ!!笑ってる場合じゃないんですよペールセゾンさん!!ああ―――!!手を振ってる場合じゃないです手を振る相手でもないです状況が解ってないですね!!そこの縄にしっかり捕まっててください!今からもっと速度出ますから!って喜ぶ所じゃないですよ!!」

「確かに、色々ありましたね…当時を思い出すと、こう、胃から込み上げるものがあります…
でも貴方の依頼を受けて、今は本当に良かったと思っていますよ。紙の輸出だけでなく、人を運ぶ旅客運送業まで携わることができました…今でこそ国の販路などに携わってますが、『星漕ぎの渡し守』は元々、人を運ぶ船から始まった組織なんです。人が歩む道を繋ぐ事は、この組織を立ち上げた先代の本懐だったと思います…あ、スイマセン余計な話をしてしまいましたね。貴方相手だとつい長話になってしまいます…僕、話し下手のハズなんですけどね…」

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「ふふ、セゾン。僕が休みだろうがそうじゃなかろうが遊びに来るでしょう?今日は行く場所を決めてあるんですよ。覚えてますか?セゾンがいつか言っていた花の話…春の間に短く咲くって噂の花の場所、この間その場所が分かったって噂が入ってきて・・・」

「もしかしたら、その花はもう散ってるかもしれないし咲いてないかも、むしろ噂自体に信憑性が無いから…でも行かなければ解らないですよね。考えて悩むより、まず挑戦してみる事が大事だと…貴方から教えてもらったんですよセゾン。貴方いつもこう言うでしょう?『きっと大丈夫、任せてくれ!』ってね!さあ早く行かないと今日中に辿り着けるか分りませんよ!いつも通り、速度は飛ばしてきますから、振り落とされたりしないでくださいね!セゾン!」

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【星漕ぎの渡し守】
 主に夜間、星が瞬く世界各地の道で客や荷物を運ぶ運輸業を行う者たち。全員が「星を漕ぐ」為の特別な魔法具【パドル】を持ち、星の光が届く場所なら陸、海、空などあらゆる地形や地域へ船を漕ぎ、向かうことが出来る。【星細工の国ア・ストリア】との絆によりパドルに改良が加えられ運搬技術が向上、星を漕ぐ為の魔力量も増えてより大きな船を漕げるようになった。星の力をパドルに蓄えることで、短時間なら星の光の届かない地域での運輸活動も可能に。現在の【星漕ぎの渡し守】は主に物を運ぶ業務に準ずる者が多い。

■アダリオス
 ア・ストリアからの貨物船を漕ぐ星漕ぎの渡し守。星漕ぎとしての腕は非常に高く彼の操る船は星漕ぎの渡し守の中でもトップクラスの速さを誇る。ア・ストリアの高い技術で作られる高価な武器や装飾品を中心に運んでいる影響で常日頃から盗賊等に追い回される日々を送っている。【星漕ぎの渡し守】としての力を除けば外見含めてごくごく普通の人間と変わりません。

■絆について
今期終了

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2017-04-01 13:49:17 +0000