【九十九路】魔道飛行要塞メテオライト【第二期】

S003
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こちらの企画【illust/60865485】に引き続き参加させていただきます。

「見ろ、あれが私たちの過ちの結果だ。私たちの足元を蝕むものだ。」-----第2の神官の忠告より

◆魔道飛行要塞メテオライト
 25pt…強靭:7/知識:13/器用:0/機敏:0/幸運:5
 羅針盤:太陽
 詳細はこちらから【novel/7814645
 度重なる戦争の末、強国に滅ぼされた魔道士の国・アークの残党の建てた魔道要塞。
 かつては名の知れた魔道大国であった。
 初代教皇と9人の神官の10の媒介を用いて召喚した巨大な鯨の核に残った土地を掻き集め、飛行要塞を作り上げた。
 国内に争いは無く、国民は皆少なからず魔力を持つ。過去の移民等、他種族も生活している。
 侵略的な他種族に対しては攻撃的。
 要塞の動きは教皇の義手によって左右され、教皇は如何なる事態であろうとも国民を守らなければならない。
 国の中心にある『永遠の塔』に祈ると、教皇の加護が受けられると言われている。


◇メテオライト(墜ちる者)
 体長:1m~500㎞(核:10㎝)/寿命:1万年~
 初代教皇と9人の神官によって召喚された巨大な鯨の姿を取る魔道兵器。
 本来穏やかな性格だが、召喚した魔道士の気性や心持によって性格を変える。教皇の持つ杖に掲げられた心臓を破壊すると寿命を待たずして崩壊する。
 現在の気性は〈穏やか〉。安定期と呼ばれる。
 人体を媒介として召喚される。
 


◆教皇ヤクシルリコウ(ルリ)
◇両性/165㎝/17歳
 メテオライトの核に結び付けられ、国内の昼と夜を管理する教皇。
 先代教皇と魔術大図書館ミーミルの守護者の間に作られたひと。
 父親が誰かは知らず、母親は国から逃げ出したのだと思っている。
 左目には早引きの魔道がかけられ、書物から知識を抜き出す際には大いに役立つ。
 薬や病に対する知識が豊富。
 次の教皇を育成するまで国から出ることは叶わず、普段は太陽と月の舟に乗り、上下の国の境目を彷徨う。
 舟には疑似太陽と月、星が組み込まれ、上下の国に日光と月光、そして星を降らせている。
(例外として、100年に1度、9人の神官に昼と夜を預ければ1日だけ国外へ出ることができるが、1日経つと強制的に玉座へ呼び戻される。)
 身体の成長、心臓の機能は17歳で止められている。
 また、鯨の眼により国内のすべての事象を見渡し、国内においてのみ不老不死。
 


✧3/4…素敵なご縁をいただきました!
 ルリに普通をくれたひと
 満腹の国 ソノピノ:一番星 ミカ・ハヤセさん【illust/61704538


いつだったろう、そのひとが私を訪ねてきたのは。
ずっと昔のような気もするし、つい昨日のことのようにも思える。
真っ白な髪の毛と額には角のような小さな突起、まだ少女のように見える。
塔を昇ってきたのか、親切な誰かが鳥を貸したか、どちらにせよ塔の上までひとが来るのは久しぶりだった。
魔法!もっと見せてください!!と目を輝かせるその少女はまるで餌をねだる雛鳥のようで、放ってはおけなかった。

「それは、国が違えばある物や住んでいる人も違うだろうね。下へ行く前によく覚えておきなさい。魔道とは、本来傷つける為にある物だよ。」
「下に行ってくる。服の用意と、腕をしばらく任せる。」
塔を降り、上下の国の首都へと向かう。
見る物すべてが珍しいとでも言いたげに、店先をあちらこちらと回っては、あれは何?これは魔法?と尋ねる彼女に思わず笑みが零れる。
と同時に、もし私が普通であればなどと、ありもしないことを考えていた。

彼女が最初に告げた滞在予定を超えていることはわかっていたが、そのことについて触れるのが怖かった。
そして何より、この普通を手放したくなかったというのが大きかったのだろう。
「私が退屈?ありきたり?もっと有意義な話?そんなことは無いよ。ミカの話にはいつも私の知らない普通がたくさんだ。私にとっては、とても有意義な話の様に思える。」

何故自分が、他所から来た少女一人にこんなに肩入れしているのか理由はわかっていたが、見ないふりをしてきたそれを認めるのは私の中の何かが崩れていくようで恐ろしかった。
家に帰さなければ。彼女には家で待っている人たちがいるのだ。

「海の上まで来てるから、鳥に乗って降りればすぐに船につくだろう。
 ……また私のところへ……いや、何でもない。そうだね、今度は私がきみのところへ行く事にしようか。
 なに、路は繋がっているのだからまたすぐに会えるよ。きっと。」

ソノピノへ立ち寄った時、首都付近までメテオライトを寄せると、料理の良い匂いが立ち昇ってくるのがわかった。民も早く降りたくてたまらないようである。
そして待ちわびた、私を呼ぶ声。
嬉しい筈なのにほころんだ頬を涙が伝った。

‐‐‐‐‐

普通であることがどれだけ幸せか、私にはまだわからないことだらけだ。
ただ、彼女となら、この先も、ずっと。

「きみはいつだって私の中の普通と反対を生きてきたひとだ。帰る家があって、家族がいて、温かい食事をみんなで食べる。私には絶対に掴みえないもの。
 だがきみがそう言うのなら間違いはないのだろう。
 ……ありがとう、ミカ。」



◆関係一覧

◇先代:ビルシャナ【illust/61294397

◇先代絆相手:魔術大図書館ミーミル:セオフィラスさん【illust/61214480

◇先代絆相手今期:テオドールさん【illust/61753077

◆既知関係
 魔術大図書館ミーミル【illust/61753077
 先代教皇の頃より、日常生活に必要な魔術知識の提供を受けている。
 代わりに防衛に関する魔道の知識や特産品を輸出している。メテオライトの繋留地のひとつ。

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2017-02-28 15:15:04 +0000