【ポケフロ】解-13 そらにねがいを

スピカは鈍足bkm

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一歩引いて、はぐらかし、隠す。彼がそういう性質なのを彼女は知っていた。
身に沁みついたそれは、この場所に来てからも変わらないようだが、
ぽつりと語る声色の端から、なにか、踏み出そうとしているように彼女には見えた。
「救いたい人が居るのね」
「うん。きっと、だからこの場所に来たのだろう」
その言葉は本心かはぐらかしかは解らないが、言葉の真偽をいちいち全部確かめなくたって、
『たすけたい』という言葉一つが本心であれば、彼女にはそれでよかった。
「うふふ。その願い、聞き入れたわ。
 ……私は一緒に行けないのだけど。その代わり、あなたに加護を授けましょう」
行けない、というのは。実はほんの少しだけ、未来予知の力に頼ったうえでの結論である。
彼に隠れこっそりと行った『それ』は確定未来かはわからないが、
何にせよ、おそらくは見知らぬ誰かには手を添えることしか出来ないのだろう、という事情に思えた。

だから。
彼女は細い足を折り、かがみこんで彼の額にキスをする。
いつしか彼に聞いた、その未来の幸を祈る祝福のおまじないとして。

だから。
彼女は彼の手に、どこかで摘んだ花を添える。
いつしか彼が祈り咲かせた、祝福と愛の象徴として。

「お行きなさい。あなたの大切な人はきっと、貴方の手を待っている。
 大丈夫。今は、あなたの願いの傍に、アイの加護がついているから」

奇しくもこの日は、ダンジョンから『かみさま』に並ぶポケlモン達が溢れ出した日だ。
ならばその中に、伝承にうたわれた「ねがいごとポケlモン」が居たっておかしくないだろう。
もしたった今、そんな『偶然』があったなら、そして彼の願いを自分たち司教と共に後押ししてくれたなら。
――素敵だろうな、と思う。
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illust/61285645】より!!!またまたこちらのイベント【illust/61098934】も支援!!!
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*レイールさん【illust/57708350】 ララミィ【illust/59531484】 (文中のみ)シロアガパンサス【illust/60949651

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2017-02-10 05:36:02 +0000