◆九十九路の羅針盤様【illust/60865485】に参加させていただきます。
◇ポイント
10pt(強靭:0 知能:5 器用:5 機敏:0 幸運:0)
◇ザファラーシャ
天を覆わんばかりの太い枝を張り巡らす大樹を中心に形成された森の中の小国。大樹の元には民の死体にして墓でもある多種多様な花々が瑞々しく咲き誇り、大樹の枝葉は花々を守るように頭上を覆っている。
町は大樹と花畑をぐるりと囲うように作られ、家屋は地面と木の上の両方にある。そんな土地柄のせいか物資や人を運搬する乗り物が自然と発達していき、外の国との交流の結果、運輸業や魔力を動力源にした魔道具(乗り物を含める)を輸出するようになっていった。端的に言えば運び屋。
飛空艇による空輸が主流で得意分野でもあるが、依頼や土地次第では海輸・陸輸に適した乗り物を作成して運輸する。これらの動力源は魔力であり、動力炉には必ず蝶の印が刻まれている。この印に魔力を注げば動かすことが出来るので、定期的なメンテナンスは必要なものの魔力さえあれば長く使用できる。
小国ながらあちこちの国の物資や人を運んでいるので顔は広く、商売にも力を入れている。
◇ザフラアナ
一種類の花の刺青を持って生まれる一族。
年をとるごとに増える刺青の花は不可視の蝶(魔力の塊)を呼び寄せ、花が多ければ多いほど蝶を呼び寄せて使役出来る。使役の仕方は個人によりけりだが、お国柄のせいか手先が器用な者や技術者が多く、魔力の塊である蝶を道具に付与させることが多い。
ただし、花の刺青が身体中に回りきるとその身に咲かせた花そのものになって死んでしまう呪いの花でもあり、力と寿命が反比例する。花に変化した後は故意に手折らない限り枯れることはなく、いつまでも瑞々しく咲き続ける。また、何故かどんな種類の花であっても二輪現れる。その為、いつからか一輪は墓場に、残りの一輪は家族や親友等の大事な者に贈与されるのが習わしになった。
この花の種(核)は心臓にあり、生後数か月で発芽。個人差はあるが十代前半~後半にかけて花が咲き、刺青として表面に現れる。また、花の呪いなのか一定の年齢で身体の成長が止まるので不老に近い。なので、見た目年齢と実年齢が比例するとは限らない。
また、ザフラアナは生殖以外では数年に一度咲く大樹の花から生まれ落ち、そうして生まれた子は【大樹の子】と呼ばれる。
【大樹の子】が生まれる前兆として、大樹の元に咲く花が光の粒になり、地面に吸い込まれる。なので、【大樹の子】は死んだ民の生まれ変わりともされている。その為、大樹を含めた花畑付近は死と再生の場として神聖視されており、墓参りと祭事以外は国民が立ち入ることはない。この場は代々国主=呪花守が管理・守護しており、花から生まれ落ちた【大樹の子】を成人するまで育むのも役目の一つ。
◇ワルド・セーテルーフ
6代目ザファラーシャの国主にして呪花守。その身に咲かせる花は薔薇。
長く国を治め続けている名国主でもあり、民からは尊敬の意を込めて【古き白薔薇の父王】とも呼ばれる。本人はこの呼ばれ方は照れくさい模様。
見た目は20代の年若い青年だが、実際は50年以上生きている爺さん。中身は若いつもりなので年寄り扱いされると怒る。
口調と仕草は荒めだが気風の良い兄貴肌で、呪花守であることに誇りを持っている。実年齢にふさわしい思慮深く慎重な一面があり、長く呪花守をしているせいか彼自身も【大樹の子】なせいか根は父性に溢れていて慈悲深い。しかし、口調や仕草のせいで気づく者は少ない。
道が繋がったことで商売の幅が広がることに喜ぶ半面、侵略等の害を及ばされる可能性とその防衛方法について懸念を抱いている。
☆絆(婚姻)
花売りのグレース様【illust/61261076】
国民にとってこの国の森は親しみ慣れた遊び場だが、慣れていない者にとっては迷いやすい森だ。そのせいか迷子になる者が後を絶たない。だからこそ、民は見回りを怠ることはない。
王たる彼も例外ではない。恐らく、森で迷子になっていた『彼女』を見つけて声をかけたのは必然だった。
「おいアンタ!見たところ旅人みてーだが、迷ってんなら町まで案内してやろうか?」
木々を思わせるやわらかな緑の髪と視線を合わせて初めて分かる小さな花が浮かぶ不思議な瞳が印象的な『彼女』は、案の定迷子だったらしい。
常のように案内する道すがら、沈黙も難だからと会話を交わす。彼や民と同じく花に関わりのある種族であり、王であることを知っても薄い反応が新鮮で。話しているうちに彼は『彼女』に興味を持ったが、旅人なので次はないと思っていた。しかし、どうやら相手は国に興味を持ったようで、しばらく滞在しても良いかと聞いてきた。快諾したのは王としてか、それともまた会いたいと感じたが故の下心なのかは分からない。
「礼なんざ良いってのに、アンタも律儀だな。ま、ありがたく貰っとくぜ。…しっかし、何度見ても不思議だな。魔法でもねーのに花が出るなんてな」
『彼女』と別れて数日。貰った花を時折眺めつつ職務をこなしていると、次第に民達が囁く噂が彼の耳に届いた。
曰く、魔法も使わずにどこからともなく花を出して渡す不思議な女性がいる、と。
(ああ、きっとアイツだ)
浮かべた口元の笑みに気づかぬまま、彼は噂を頼りに『彼女』を探し始め…そうしてまた、あの時のように『彼女』を見つけた。
『彼女』が話すのは、彼女自身が体験してきた他愛もない話。聞いているだけでも楽しくて、心が温かい。また『彼女』に会いたくなるであろうことにも、その感情の出所にも、その理由にも。彼は薄々気づいていた。
「ああ、俺も楽しかったぜ。って、どこで聞いたんだその呼び方!?ったく、やめろっつってんのに…。花はありがたく貰うが、前払いなんざ無くてもいつだって会ってやるさ。会話を楽しんでんのは俺も同じなんだからよ」
「知らねぇだろうが、俺はこれでアンタより二回り近く長く生きてる――認めたかないが爺で、刺青の咲き具合からして確実にアンタを置いていっちまう男だ。……悩んだし、言わずにおこうかとも思った。だがな、俺は俺の気持ちにもアンタにも嘘を吐きたくねーし、吐けなかった」
「グレース、好きだ。アンタを嫁に貰いたい。そんで、遠い未来に俺がバラに変わったら、その花をアンタに貰ってほしい」
◆所属・既知関係について
主な形成人種はザフラアナですが、道が出来る前から他国と行き来のある国なので他種族の方でも歓迎いたします。所属される場合は事前連絡は不要です。
既知関係も募集しております。貿易から友情、殺伐までお気軽に。
◆頂いたメッセージのお返事は即日~三日ほどかかります。三日経っても返信がなかった場合届いていない可能性がありますので、お手数ですが再度送り直してください。何かありましたらメッセでお知らせください。
2017-02-07 10:55:39 +0000