柴丸- * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * -
迂闊だった。
一瞬だけ見えたけど、恐らく今のは私のみがわりの仕業だ。
…ピンポイントで年頃の女子の顔狙うとか陰湿すぎない？しかも隠れてどっか行ったし？
「ココリネちゃん！！」
「だ、大丈夫目に一発もらっただけだから！電気技だし！」
「ほ…ほやけど！そのままじゃ視界が悪なって危ないって！」
「開かないけど見えてるから！大丈夫だって！」
…こんな打たれ弱くても短命でも、厄介者と言われていた私でも、生きてこられたんだ。
私より強いグレンくんが道を踏み外さなければ生きられないなんてこと、絶対に無い。
生きていたら奇跡みたいなことなんて何度でも起こる。
ちゃんとひとりじゃないってことが伝われば、心を強く持って、信じられるはずだ。
「と、とにかく動かんで！すぐ手当てせな…」
「私は大丈夫だって！それより…」
言いながら、開けられる左目だけグレンくんに向けた。
……やばい。めっちゃ怒ってる。ハルくんほんとごめん。
「…ぐ、グレンくんに声をかけて！あの子の心に届くのは私じゃなくてキミの言葉だ！」
「今のグレンは話し合える状態やない！力ずくでも止めないと…！」
「見たら分かるよ！殴り合ってでもいいから声もかけて話して！」
気配を感じて振り返ると、見覚えのあるポケモンが居た。
…落ち着け。私はこの子達の戦い方を知ってる。
博学の街で暴れたゲノセトを思い出せば、ある程度の動きは予測できる。…たぶん。
この子達はゼロくんを狙っている。動きだけでも止めないと…。
「よし！いける！こっちは任せて！」
「いけるって…こんなロボットみたいなの大勢ココリネちゃんだけに任せれんって！」
「キミの相手はグレンくんでしょうが！男の子なら拳で分かり合いなさいほら早く！」
そう言って笑って、ハルくんにハイタッチで『てだすけ』をかけた。
思えばいつも誰かの手助けばかり。
少しでも周りを明るくできたら、と思って。笑ってばかり。
笑って生きて良い、世界を愛しても良いと、思えるようになりたかったから。
「… 嬉しかった、よ。もっと笑顔を見たいってキミが言ってくれたの」
「……え？何か言っ…」
「なんでもない！
大丈夫、前を向いて！
早く見せてよ！キミのかっこいいところをさ！」
- * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * -
◆支援イベント
スケープゴート【illust/60946898】
Z破壊指令【illust/61170323】
◆「かのうせい」【illust/61214953】の続きです。
・何者かの電気技によってココリネが微妙に負傷しました。右目が開きません。
ハルくんにてだすけをかけつつゲノセクトの相手をしてます。でんじはかましたり引きつけて逃げてるだけですががんばるよ！
（ココリネはご自由に傷を負わせていただいて構いません）
◆お借りしました
ハルくん【illust/57708781】
*ココリネ【illust/57707812】
（描写不足、タグ間違い等あればご指摘ください…！）
2017-01-31 15:28:46 +0000