◆こちらの企画様【illust/55830776】にお邪魔します。
◆ダレット/現行世界【illust/57195157】
◆夫:躑躅さん【illust/57187966】
息子:カフテット【illust/57700209】
梔子くん【illust/57881185】
◆呼樹の番 (こじゅのつがい)
遠い昔、黒檀の精霊と夫婦となった女を祖先に持つ種族。独自の文化を持ち、武と音楽をこよなく愛する。
寿命は個体によって大きく異なり、長い者だと1000歳を超える。
身体の一部に黒檀の形質を宿す。発現する部位は個人により異なるが、通常脚や腕に現れる場合が多い。
身に宿した黒檀は記憶を保持する、僅かな魔力を纏う等不思議な力を持つが、
それが何故なのか何なのかは未だ不明瞭な点が多い種族でもある。
◇四花の閃枝…大切な人を失ってから培った剣の冴え。赤い刃は黒い炎を纏う。
殺気を纏う間、白い枝が彼女を覆っている。
◆Key…花の芳香
一等に好きだった温かい春の香り。今日もあの人の面影を探しに行こう。
◆素敵な呼応関係を結んでいただきました ウィルドさん【illust/60124448】
花の香りに誘われた。いつか遠い日、焦がれて仕方がなかった香り。
拓けた視界に映ったのは二人の男女。何故この場に出たのか、女性の角に答えを見る。嗚呼、美しい花だと。
そして、その傍らに在った男性に、一瞬、息が詰まった。
或いは愚直なほどに、ひたむきだったその瞳は、彼女がかつて亡くした主に、少し、ただひどく似ていた。
「ごきげんよう。何処かで会ったことはないかな」
それから何度もその姿を探した。探して、斬りかかって、その剣筋に答えを探そうとした。
いつか否定に変わると思った感情は、それどころか、懐古の気持ちとなって胸を占めるだけだと気付いたのだ。
「言ったことはなかったかな。…似ているんだ、そのひたむきな目が。
真っ直ぐ歩まんとする強い意思が。意地でも守ろうとするその腕が。ふふ、…その男ぶりもね。
付き合わせて悪いね、色男さん。なんでアンタに執着するかって、そりゃ懐かしいからさ。
だからアタシはアンタを斬る。アンタの大切なものごと。そんな感傷はマドイビトにはふさわしくない。
…それが嫌なら、守ってみせな。アタシを切り伏せて、生き残ってみせなよ」
「さ、剣を取りな。…これが最後の一太刀だ」
2016-11-17 15:01:13 +0000