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✤花冠を戴く者【illust/55830776】
スィッタ・アクィーリア(Sytha Aquilia)
現行:【illust/57165016】
伴侶:ハザックさん【illust/57165266】 / 【illust/59968506】
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✤Skill
【黒衣の花嫁】他人の「関心」を引き、他者と関わることで呪いの発動を促す能力。
✤Weapon
【惨禍の黒炎】匣から燃え盛る黒き炎。魔王の支配を受けたそれは、あらゆる惨禍を呼び寄せ辺りを焼き尽くす。
✤ラアナの匣【novel/6871774】
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✤11/16 再び素敵なご縁をいただきました!ハザックさん【illust/59968506】
ハザックは私にとって『太陽』だった。
翳った私の人生を照らし、光ある場所へ連れ出してくれた。
あなたが与えてくれたもののおかげで、私は生きようと思えるようになれたのよ。
…なのに、どうしてこうなってしまったのかしら?
この身に宿る呪いは、日に日にあなたを蝕んでいった。
眩しく輝くあなたの命。それを奪うのはきっと、他でもない私。
だからもう、あなたから離れなくちゃ。そう思ったのに、暗闇に戻るのが怖いだなんておかしいわよね…。
でもね。そんな時、声が聞こえたの。
「 愛する者さえ失う世界なら、いっそ全てを壊してしまえばいい 」
…ああ、そう。そうね。それならきっと、この暗闇も、恐怖も、胸の痛みも、全部全部消えてくれる。
私は歩み始める。沢山の何かが壊れる音のする方へ。
誰かが私を呼ぶ声が聞こえた気がするけど、上手く聞き取れない。
そのせいかしら。もう自分の名前も思い出せないの。
おかしいわよね。呼ばれた名前は、大切なものだった筈なのに………。
*
*
*
戦地は見慣れた光景が広がっていた。
苦痛に顔を歪める人々、助けを求める悲痛な叫び声、辺りに充満する血の匂い…。
ああ、でも。これがきっと、私の本来の居場所―――
そんな事を思っていると、どこからともなく断末魔が聞こえた。
声の出所を探すと、そこには思いもよらぬ人物が断末魔の主と思わしきモノを見下ろしていた。
「………ハザック、」
(どうしてここに?あなたはもう、動けるような体じゃなかった筈…それに、その“匣”は…)
誰よりも愛しく、そして今は誰よりも会いたくなかった人物を前にして頭の中が混乱する。
…早く、離れないと。答えは出ているのに、上手く体が動かない。その時だった。
「マドイビト!!よくも!!!!!!」
―――彼の背後に、襲い来る人影を見た。
瞬間。無意識に体が動き、その直後に激痛が体を襲う。
…その事でようやく、自分が彼を庇って負傷したのだと自覚した。
(ああ、もう一度会うべきじゃなかったのに…ごめんなさい…。でも、あなたが無事で、本当に良かった…)
流れる血が、じわじわと自分と彼を汚していく。
それを見たハザックの目が大きく見開き、ある名前を口にした。
「…スィ…ッタ…?」
見つめる彼の視線が、声が、その名前が私のものだと物語っていた。
…ああ、そうか。やっと思い出せた。
スィッタ・アクィーリア。それが私の名前。
あなたから与えられた、新しい私の生きる道。
どうして忘れていたのかしら。どうして何もかも壊してしまおうとしていたのかしら。
あなたの愛する世界も、あなたがくれた幸せも、なかった事になる訳なんかじゃなかったのに。
私の太陽。あなたはまた私を、この暗闇から救い出してくれたのね。
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2016-11-14 15:00:08 +0000