祈りの石 | illust/59003307
◈リタ
表情の変化は少ないけど、好奇心旺盛で行動派。
落し物のスペシャリスト。
名前はちゃんと書きましょう。
魔法:光の軌跡を残す。
一定時間光の粒子が軌跡のように残る。
普段は羽根ペンなどで使う。
11/16 とても素敵なご縁いただきました ありがとうございます+.
シャノンさん | illust/59706608 (シャノ)
それは、絶対なくしたくない、君との繋がり。
君と出逢えた奇跡と、貴方と辿る、軌跡の奇跡。
「シャノっていうの? 私はね、リタっていうの」
「ねぇ、シャノ、リタのポシェット知らない? 昨日子猫を追いかけてたら落としちゃったの」
「お店、してるの? リタはね、あったかくて甘いミルクが好き。
とうさまは苦いコーヒーが好きで、かあさまはアップルティーが好きなの。今度、一緒に行くね」
「あ、今、子どもみたいって思ったでしょ。リタ、もう子どもじゃないもん」
ある日出逢った、ずっと笑顔の男の子。
おひさまの光みたいな、温かい色の瞳が、綺麗で、触れたくて、
近づいたら、温かくなるのかなって。
(だけど、その違和感は、なんだろう)
「落し物ばっかりだけど、これだけは落としたことないの。
お祈りなんて、そんな大層なお願いしてないのにね」
「あげようか。シャノになら、あげてもいいよ?」
ふんわり、逃げているような、避けているような、きっと、そんな感覚。
落し物をした時の喪失感、心の奥の何かが欠ける、その瞬間。
その感覚を、誤魔化すみたいに、今日も君を追いかける。
「優しそうな両親って思った? 大きいお屋敷でいいと思った? 幸せそうだって思った?
残念、全部、全部ね、嘘なんだよ。リタ、ずっと、騙されてあげてるんだよ。偉いでしょ」
「その呼び方、嫌いじゃないよ。だって、『リタ』ってそれも、あの人たちが勝手に付けた、だけかもしれないでしょ?」
(でも、シャノに呼ばれたら、ずっとリタでもいいかな、なんて)
「手、出して。お名前書かないと、誰かにシャノ盗られちゃう」
「シャノの、そういう意地悪なところ嫌い。でも、シャノは好き」
「ねぇ、シャノはどうしたら、リタとずっと一緒に居てくれる?」
あのね、リタ、ずっとずっと一人だったよ。
とうさまもかあさまも優しかったけど、だけど、ずっとひとりだったの。
そう思って居たかったの。だけど、私はそれを切り捨てられなかったの。
だからね、誰かを、捨ててしまえる、シャノが怖くて、
だけど、どうしようもなく惹かれて、
シャノとずっと、ずっと、一緒に居られたら、素敵だなって。
「ずっとずっと、一人ぼっちだったの。一緒にいるなら、シャノがいい」
「シャノになら、リタの持ってる、大事なの、全部あげる。
過ごしやすいぬるま湯も、全部全部、捨ててもいいよ」
「シャノがずっと一緒にいてくれるなら、リタ、ずっとバカな子どもでいいよ」
だって、だって、なくしたくないものもなくしちゃいけないものもなくしちゃったんだもん。
だからね、君はなくしたくないの、
キャプション随時変更いたします...
2016-11-13 14:28:02 +0000