白紙世界の旅日記【illust/57794659】
10/8 2期結果より、その後を追加しました。
「うーん、ここは何だか……さみしい、ところデスね」
◽︎ リタ
〔164㎝/一人称:リタ、二人称:あなた、○○さん/Pナンバー:4〕
少女が草原の終わりを見つけると、突如として巾着に入った星のかけらが光を零す。その眩さに思わず目を閉じた。
瞼を開けたリタが次に目にしたものは、高くなった視界、探索向きとなった穿き物、そして共に草を踏みしめた青年と同じ色のマントだった。
自覚こそしなかったが性別が変わったようだ。そんなものは関係ないと体で表すように “少年” は意気揚々と廃墟へ踏み込んで行く。
廃墟内では壊れたものや埃をかぶったものをひとつずつ目を向ける。不意に現れる動物や、錆び落ちてくる破片に驚きながら進むのだろう。
アサギのように何かの声を聞き取れるだろうか? と、両の掌を当て耳を澄ました。
◽︎ 技能(詳しくは2枚目にて)
アサギさんとの出会いにより、石や岩など裁縫の常識では不可能なものも針と糸で自在に縫いつけられるようになった。
◇ 廃墟にてーー ◇
(……におう)
リタは漠然とそう感じた。
腐ったような、焦げたような、水に浸したような、何処と無く土気あるような、兎に角鼻がひん曲がる嫌な臭いだ。
晴れた空の下にあった草や木や岩、羊のあたたかな生き物のにおい、風が心地よい高い木の上。その全てと真反対だなと本能的に感じ取る。
死臭。
(リタ、これ、知ってマス。ずっと、ずっと嗅いできマシタ……多分)
何故だか分からない、何処で嗅いだことがあるのか? 見当がつかず眉間に慣れない皺が寄り、訳もわからず流れる涙が床に染みを作っていく。
ーーーーーーーーーー
「しぬ? しぬって、何デス?」
「死とはあの世に向かうこと。私たちはその補佐をするの」
「リタ、何をすればいいんデスか?」
「あなたは彼らの《重み》を測ればいいの。……悲しいことじゃないわ、苦しいことでも……ないわ」
「おもみをはかる、のデス? 一体どうしたら……?」
「そう、この天秤に乗ってね。何人が乗った時と釣り合うかを調べるの」
「ほー、分かりマシた!! リタ“達”、測りマス!」
よじよじと皿に登るその子らを、その子は微笑みながら見つめる。
同じ顔をしたその子らを。
ーーーーーーーーーー
リタは1人ではなかった。同じ顔、同じ背丈、同じ服を着たリタ達はまとめて《ダンデ=リタ》と呼ばれていた。
草原で目覚めた彼女は、何らか理由あってはぐれた分銅のリタだろうか? 彼はうぅんと首を捻る。
「でも、何〜か嫌デスねぇ……。そうだ、鼻を覆っちゃいマショウ! 羊さんの毛も、入れて……よし、完璧デス!!」
そう呟く間に、手元に顔半分を覆うほどのマスクが生まれた。
鼻につく臭いは先ほどよりずっと軽い。
廃墟はリタに《死》、自分がそれに《関わっていたこと》を思い出させる。
大きな天秤の揺れたあの場所、あれはどんなところだったか……。
廃墟から去ったリタはあるものを視界に入れる。
(そうだ、あの洞窟のような暗闇だった)
マスクの下でそう独りごちた。
▫︎五感:4 嗅覚
を獲得しました。
◽︎ 旅路
第1期【illust/58350210】
アサギさん【illust/58296684】
「また会いマショウねー! あ、靴はいつでも直しマスから!」
「きっとアサギさんなら、よっ! こう、して……ヨイショー! すいすいと登りマス!」
◽︎ 申請について
性別、Pナンバーなどに関わらず面白い関係を結ぶ事ができたら嬉しいです。
第1期よりははるかに会話が容易にはなりましたが比較的幼い口調です。
方向を決めていけたらと思いますので関係性のご提案等ございましたらお気軽にご相談ください。恋愛関係については現時点では考えておりません。
申請に関するメッセージへの返信は即日〜5日程となります。なるべく早く返信できるよう努めます…!
こちらからの返信がない・キャプションに記載の無い場合は再度送信していただけますと幸いです。
問題、指摘等ありましたらメッセージにてご一報ください。
(随時更新)
2016-09-10 06:51:11 +0000