「鷲ではなかったのか……」
どうやら、カタログに記載されていた『頭部』のシルエットに、見事に騙されたらしい。頭を抱えて呻く私の後ろで
「でもいいじゃないですか。愛嬌があって」
「可愛いじゃないですか。中古品だけど」
「磨けば問題ないですよ。マントも繕いましょう!」
部下達がはしゃぎまわっている。無理もない。この貧乏な部隊に『機械甲冑』が支給されたのは初めてのことなのだから。
「砲身を改良すれば十分戦力になります。我々の部隊を国一番の貧乏だの厄介なお荷物だのと言ってきた奴らを見返してやりましょう!」
研磨用の布を手にやって来た副隊長が胸を張る。私はこの愛嬌たっぷりな『ドードー』なる奇妙な鳥の形の機械甲冑をもう一度見上げて答えた。
「こいつといっしょに、栄光へと羽ばたける日がいつか来るかも知れんな」
<民明書房刊:古代機械帝国英雄史(第三章)「ドードー鳥は舞い降りた」より抜粋>
■企画元【illust/5721496】大ミスがあったので差し替えました……評価&ブクマしてくださったかたありがとうございます!
■ちなみに操縦(?)している兵士達のあれこれ【illust/6058213】
2009-08-29 07:05:56 +0000