世代交代企画:花冠を戴く者【illust/55830776】
「みんな綺麗なんだ…ずるいと思わないかい?」
「嫌だよ,僕が触ったら君は僕を拒否するんだろう?そんなの耐えられない」
❖doxa
ドクサ
❖所属 :彩の国 ❖Class:傭兵(知力:0pt/武力:3pt) ❖27歳/男性/180㎝
❖スキル :玻璃の加護 奪彩の手 ファーストフラッシュ
❖詳しいキャラクター説明【novel/7145057】
❖箱庭人形(ガーデンドール)
❖無彩の民
❖魚鬼族
❖備考
彩の国にある母の庭園を継ぎ庭師をする男性
❖家族
父:シュヒセキ(森の国)【illust/57850579】福千様
「僕は父さんを恨んでなんかいないよ.父さんからもらったこの色が大好きだもの」
母:イデア(彩の国)【illust/57798473】
「母さん,僕を愛してくれてありがとう.セイショウを生んでくれてありがとう……母さん」
妹:セイショウ(森の国)【illust/58329957】福千様
「いらっしゃい,久しぶりだね.そういえば,以前持ってきてくれた苗が花を咲かせたんだ.見るかい?」
「大丈夫だよ,セイショウ.君は何も悪くないよ.僕は君が生まれてきてくれて本当に嬉しい」
❁素敵なご縁がありました!
唯一の救いで愛しい人:エペラツィトリーンさん【illust/58460059】
それは,妹の婚姻祝いに森の国へ訪れた帰りのことです.
たった一人の妹に大切な人ができ,彼女はもう自分などいなくても大丈夫だと感じていました.
一人ぼっちの自分自身にドクサの存在価値なんてもう無いように感じました.
その時に聞いた一つの噂
―人を見定め,悪人を食べる見張り番―
その時のドクサは何でもよかったのだと思います.
その見張り番に食べられるのも,また一興としか思えなかったのですから.
「やあ,ばけものさん.噂よりも綺麗なんだね…妬ましいよ」
彼女はその翡翠色の瞳でドクサを見つめ,ドクサは紅色の瞳で彼女を見つめ返しました.
彼女の瞳には,一体何が映ったのでしょうか.
ドクサが人の色を奪ってきたこと,人を妬み羨み苦しめていたこと.
ドクサが家族を愛して,家族だけを大事にしてきたこと.
彼女はドクサを悪人と判断しませんでした.ドクサは,彼女に許され追い返されてしまったのです.
ドクサはそれを理解できずに,追い返す彼女に対して何度も何度も彼女の元に訪れました.
「どうして,僕を許してくれたの?どうして,僕を食べなかったの?」
彼女はドクサが訪れる度にドクサを追い返していました.
彼女が自分を許してくれたこと,自分を知ってくれたこと,それがドクサには救いに思えました.
暗く誰もいない,一人ぼっちのドクサにとってその救いは唯一の光と思えました.
「君が僕を許してくれた,僕を救ってくれた…どういうことかわかる?」
彼女がドクサの中で唯一でした.家族とも違う,唯一でした.
彼女のことを知りたくて,彼女のことを色々尋ねました.
ドクサは彼女に彩の国のお土産品や,ドクサの庭園の花,色んなものを渡しました.
それは,愛情ではなかったのだと思っています.崇拝と言えるものだったはずです.
けれど,ドクサのその感情は彼女のことを知っていくにつれて変わっていきました.
少女らしい面や,時折見せる行動や,ドクサの持ってきたものを喜ぶところや,そんなとこを見て.
ドクサは抱いてはいけない感情を抱いてしまいました.
「嫌だよ…僕は君に嫌われたくないのに…君の色を奪いたくないのに…」
「ごめん…僕なんかが君に触れてはいけないのに……君に触れたいよ,エペラツィトリーン…」
彼女は,ドクサに触れることを許してくれました.
ドクサは,自身の感情を受け入れて,その感情で胸が温かくなるのを感じました.
「エペラツィトリーン,僕は君と一緒にいたい.君が救いだからじゃないんだ.」
「君のことが大好きだから.愛してるから,ずっと一緒にいたいんだ…」
2016-08-11 02:09:07 +0000