人形館の安息日【illust/54961214】にさらにスライディング参加させて頂きます。
「あら、あら。これは何でしょう。知らないものがあります。この鏡に入れておきましょう。きっと今は必要のないものです」
「こんにちは、こんにちは
貴方は誰? 私?私は…色んな風に呼ばれているの。
私はユートピア 私はパラダイス 貴方は私をなんて呼ぶ?」
UtPar‐dis
ユートピア
パラダイス
ディストピア
女:160cm
予感:6:憧憬 ココロノカケラ:4
たいせつなもの:鏡 おもいだしたもの:音 ギフト:火の呪い 確信:
第一【illust/55628754】
第二【illust/56452605】
第三【illust/57117882】
今まで身に起こったはずの出来事を全て「絵本の中のお話」と思い込んでいる人形。
その思考は客観的。
物語を読み上げるようなものが常だが、ころころ変わるため彼女の口調は安定しない。
笑顔になれば幸せなのだと疑わず、節々にそれを強要するような所が見られる。
それを正しく理解出来ていた少女は彼女にとってはただの一例のように「理想的な幸せなお話」として、「必要のないもの」として、どこかへ追いやられてしまった。
~稀有で素敵なご縁を頂きました!~
「笑って、笑ってリリィ。ふふふ、つれない貴女、赤百合の貴女」「ああ、そういえばその花言葉は、」
リリーベルちゃん【illust/57506819】
「ちがうよ、ちがうよ。このこはそんなものなんかじゃない」
「リリーベル、リリーベル。かれとおなじ、きれいなあなた。すずらんのあなた」
「あなたのしあわせは、けがさせない」
「白い男の子を知らない?とっても優しい子なの」
誰かを探しており、持っている人形はそれを模したもの。その人形に顔はない。
「今まで?…さぁ?よくわからないわ。でも素敵ね。なんだかこのお話に似ているのね。そういえば、前はもっといっぱい絵本を持っていた筈なのに、ここではこれしかないのだけれど、何故かしら?」
自慢の絵本は人に見せて回る。そこに綴られた無垢な少女の物語は他人事ではないのに、彼女はそれを理解しない。
「どうして?どうして?何をするの?悲しいことでもあったの?大丈夫、大丈夫よ。辛いことも悲しいことも苦しいことも、みんな終わりが来るわ。あの子が終わらせてくれるわ」
その声は微弱な毒。じわじわと侵食してくる長期的な洗脳。その声に鐘の音に狂わされたものがいる。
「ゆきましょう、ゆきましょう?ほら、一緒に」
触れること、触れられること。差し伸べた彼女の手のひらは陽炎と同じ。
楽園に至ろうと手を伸ばしても、その手は何も掴めず、焼け爛れる。
どうして、どうしてどうして。どうして誰もここへ来ないのでしょう?」
みんな迷っているのでしょうか。ならば教えてあげなくては。貴方達が望むすべてはここにあると。
【illust/57642151】
「大丈夫よ、みんなきっと救われる。さあ、一緒にもっと頑張りましょう、ね?」
「どうしてきこえないの?どうしてみえないの?」
「もうあのこにひどいことしないで!!」
2016-06-29 21:01:01 +0000