「あぁ、真折、貴女の所の居候さんが火を撒き散らして暴れていましたけれど、あれはよいのです?」
「うっわ まじか、、、、間に合わなかったか、、、」
「もしかして、あの子が」
「そう、かつてうちの一族の長になるはずだった奴だ。、、、私が角を折った」
「貴女が折ったのは治めるためでしょう?」
「、、、折った事には変わりねぇしよ、、、情報かたじけない、千鶴殿」
彼女が村を追い出されてから、次の長が産まれるまで、もしかしたら火の祝福が顕れるのではないかと
私は村から出してもらえなくなった。
しかし待てども火の祝福は顕れず、次の長も産まれなかった。
そうして、一族はゆるやかに減っていった。
私はすぐにでもクラナシを追いかけたかった。
しかしやっとの思いで村を抜け出して長い長い時をかけて見つけ出した彼女は何も覚えておらず。
彼女は記憶を求めている。
仇を求めている。
真実を求めている。
私は全てを知っているけれど、どうしても教えることができなかった。
お借りしました
千鶴さんillust/56346133
真折illust/56357349
2016-05-01 08:16:28 +0000