素敵な企画【天と地の世界樹さま】(illust/54032140)第2期へお邪魔させて頂きます。
﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆﹅﹆
❖ 名 前 : ウー
❖ 性 別 : 男
❖ 所 属 : 地の民 天pt【10】 地pt【25】
❖ 血 縁 : 父:ホト(地の民)【illust/55018999】母:ヴィーナスちゃん(天の民)【illust/55058114】
姉:ベティちゃん【illust/55559572】
❖ 一人称:僕/二人称:あんた
トウツ族の青年と月天兎の少女との間に生まれた天真爛漫な少年。リンゴと甘いものが大好物。
母の種族の特徴である不老不死の薬を生成する能力は混血により薄まっている。
しかし、簡単な病気であれば治す事が可能な命薬を、己の寿命を削る事で生成出来る能力を持つ。
本人は軽い気持ちでこの能力を使おうとする為、よく家族に止められていた。
トウツ族特有の生活とは縁なく育ったせいか、大きくなった今でも寂しがりやで甘えん坊な一面を持つ。
羽飾りは別れる際に母からもらった大事な宝物。以前から欲しくて母親にねだっていたらしい。
「お父さんとお母さんがそうしたように、僕もいつか世界樹に…。その時は、また二人に会えるかな…?」
「やったね!一番乗りっ!こんな夜空の綺麗に見える場所、僕とセッカしか知らないよね!」
「お姉ちゃん!ちょ、ちょっともう!スリスリやめてよ!…えっ、リンゴ?いくいく!」
「…えっ…?お姉ちゃん好きな人いるの?へぇ―…えっ?僕?あっ、いや…うん…い、いるかな‥」
【トウツ族】(父側の種族の特徴です)
ウサギのような長い耳と小さな尾をもつ種族。群れを作らず単独で行動する。
(産まれてすぐに両親は子供を捨て、独り立ちさせる特異な習性があります)
山懐の人里離れた場所に住む個体が多い。運動神経(特に瞬発力と跳躍力)が優れており、夜目も利く。
混血となり、多種族の生き方を学んだ父親の意向で、親子は別れるまで共に過ごしていました。
❖ 素敵なお友達 * * * 地の民:ルビオラくん【illust/55594685】
ルビオラ君の育てたリンゴを自生のものと勘違いし、うっかり盗み食いして怒られたのがキッカケで仲良くなった。
ウー曰く親友にして心の友、腹ペコで死にそうな表情をしながらルビオラ君のところへ駆け込む事も多い。
彼の作るリンゴが「この世で一番美味しい」と、まるで自分のことのように自慢する姿がよく見られる。
「ルビ兄ー、リンゴある?!リンゴ!!!…えっ、今って時期じゃないの?ショック… え、大丈夫?ほんとに?!」
「ルビ兄のアップルパイ美味しいよなあ…お母さんはもっと上手だったのか、一度食べてみたかったな…」
❖ 素敵なご縁を頂きました (3/6) * * * 天の民:雪花ちゃん【illust/55578491】
ひろいひろい森のなか 朱色の癖毛に黒く長い耳をもつ 幼い少年がおりました
お腹の空いた少年は 赤い実をつけた大きな木にひとっ跳び!
器用に枝にぶら下がり 赤い木の実を食べようとした… その時です
ガサガサッ ガサッ
すぐ近くの茂みから 葉っぱの擦れる音がきこえます
なんだろう? と 不思議に思った少年は 身を乗り出して 茂みに目を凝らしました
すると 急に真下の茂みから 薄い桃色の髪の少女が
頭に葉っぱをのせたまま 息を切らせて勢いよく 茂みから飛び出してきたのです
急な出来事に少年はたいそう驚き 足を滑らせ 抱えたリンゴごと地面へ真っ逆さま!
くるりくるりと回る視界の中で 一瞬 少女と目が合った
その「少女」は「少年」と 同じ色の瞳をしていた
「ねえ、セッカ…また会えるかな。会えるならどこだっていい、どこにでも行くよ、またセッカと会いたいから」
「へへっ、手、冷たくなんてないよ。ほら、繋いでれば暖かいだろ?な?だ、だからさ、手、繋いだまんま…か、帰らない?教会まで」
「あんな小さい時の約束、覚えてくれてたのかよ…まいったな… … なあ…セッカ、先延ばしにしてた返事、聴いても良いかな…」
花雪祈祷師の彼女と結ばれてから早幾歳 以前よりも背丈が伸び 少し大人びた青年は
妻のもとへと身を寄せ 教会の仕事をこなしながら 忙しく日々を送っておりました
そんなある日の昼下がり 教会の地図とにらめっこをしていた青年の元へ 慌てた様子の神父達がやってきました
"ウー殿、大変です!" "雪花殿が気分が悪いとお倒れに" "顔色が大変悪く…"
妻の身に何かあった… 神父たちの言葉が終わるよりも前に 青年は血相を変え 物凄い勢いで部屋から飛び出していました
頭のなかで何度も妻の名を呼び 自分たちの寝室へと一目散
その勢いのまま 思いっきりドアを開けてしまった青年の目に飛び込んできたのは 目を丸くした妻とシスター達の顔
一瞬目があった妻は少し恥ずかしそうに顔を逸らした
"本当男性は慌てん坊ね" "ほんとねぇ" "全然話聞かないんですもの" と クスクス笑うシスター達
「…え?あの、セッカの具合が悪いって…」 「おめでたですよ」
その一言でピタリと動きが止まった青年は 妻の方へ目を向ける 妻はもう一度こちらをみて小さく頷いた
"キャー!やめてくださいウー殿!" "駄目です!身重の方にそんなこと!"
そんな声を大きな耳で聞きながら 青年は満面の笑みを浮かべて 妻を抱き上げ くるくると回っていた
「セッカ、セッカ!ありがとう!本当に! 僕はとっても幸せものだ!」
いつもと変わらない昼下がり それは 青年にとって とても特別な日となったのでした
・
・
・
一歩 また一歩と進む度に思い出す
出会った時のことを 一緒に遊んだことを 一緒に見た景色を そして子供たちを
進む度に未練が残る気がした その度に妻の手をぎゅっと握った
聞き慣れない唄とともに 辺りに光が満ち すっと力が抜ける
見慣れた妻の赤い瞳は すでに閉じられていた
最期まで妻の手を握っていた 体を抱いていた 強く 強く
君の事がずっとずっと 大好きだったと 小さく囁き 赤い兎は 事切れた ―
2016-02-29 15:00:13 +0000