【仁本物語弐】橙【第伍世代】

割増微塵子@ゆっくり復帰

_きみは どこから来たの?
_僕は この竹取山

_きみは 何しに来たの?
_僕は 飴を売っているんだ

てふ
てふてふ
てふてふてふてふ

だいだい ちょうちょが ひいらひら
おやまのふもとで きらきらの あめづくり

てふてふてふてふてふてふてふてふ
てふてふてふてふてふてふてふてふ

あたりはだいだい

_いらっしゃいませ!どうぞ、見ていってくださいな。

綺麗な宝石は甘い宝石

_万引きはご法度ですよ?つまみ食いもダメ、ダメ。僕を怒らせない方がいいぜ?

ふわふわの飴ときらきらの甘い宝石
それよりも甘いあかい瞳に見つめられ
火を宿す羽に見惚れたら
あなたの心はだいだい色

てふてふてふてふてふてふてふてふてふてふてふてふ
てふてふてふてふてふてふてふてふてふてふてふてふ


ーどうぞ、僕に何でも言って。応えてみせよう、何でも、ね。

ーあいたたた…努力が足りないな…

−−−−−−−−−−−

_ねえあなた知ってる?あそこの家のお婆さん、ついに独り身のまま亡くなったらしいわよ。
_まあ…やっぱり来なかったのね…可哀想に。
_一生一人の男の人を待っているなんて…ちょっと馬鹿みたいに一途な人だったのね。
_そうねえ。…次は運命の人と巡り会えるといいわね。


橙 だいだい/女/19歳/170cm/妖怪(鬼、蝶化身、雀の化け物、火の鳥、赤鬼、妖狐、鴛鴦の化け物、烏天狗、野狐、座敷童)

甘い言葉を吐く蝶男と男勝りの雀の間に生まれた女
前世は罪深い男を待ち続けた女である
けれども優しく強い両親の元に生まれて寂しさは薄らいだようだ

母の菓子屋を手伝い、宝石のような飴や綿のような飴など様々な飴細工を作って売っている
まっすぐで一途、飴のように美しく甘い言葉を吐く子
父親の血か女性に優しく紳士的

母方の血により、その胸には穴が開いており「羨ましい」という感情とそこから生まれる「劣等感」を感じると酷く痛む
そのような感情を抱かないためにも努力をし、常に完璧であろうと気をはっているようだ。

首と足首に鴛鴦、雀、火の鳥の血を継いだ翼が生えている
が、あまり飛ぶことは得意でないようだ
体を無数の蝶に変えることができそちらでは飛ぶことができる
細い体の割に力持ち
火を起こすことができ、その火を蝶に変えることもできるようになった

父【illust/54899091】桃色
「これはこれは、親父殿。相変わらず甘露のようなお言葉を母様に差し上げてるのですか。ヒモやってないで少しは手伝ってください。」
(まさか、あなたの子供に生まれてくるとは。結局、私はあなたとは結ばれない運命だったのですね。)
母【illust/54931017】四方葵さん
「ああ…素晴らしい。やっぱり母様のお作りになる飴細工は素晴らしい。僕も精進せねばなりませんね。」
(もう、未練はないけれど。やっぱり少し羨ましくなるのです。焦がれたものと共になれた貴方が…)
兄【illust/55442615】稿菊さん
「おや、今お帰りですか兄上。今回はどのような案をいただけるので?ふふ、どのようなものでもこの橙がこの世に生み出して差し上げましょう。」

素敵な旦那様と巡り合えました…!
illust/55166529】淵叢の祟り神こと火乃黒燿さん
_また、あなたに逢いたい

久方ぶりに山を出て、見聞を広めようと旅をしていたある日のこと。
ふと立ち寄った森の中であなたを見つけたのです。
白く、恐ろしいくらいに美しいあなたを

「今日は。ええっと…こちらで何をしているのです?って、それは僕も同じですね!ええ、恥ずかしながら迷ってしまいまして。」
「少しおかしなことを言ってもいいですか?…また、あなたに会いに、この森に迷い込んでもいいでしょうか。」

暗い森でひとりのあなた
少し寂しそうに見えたのは気のせいではないはずだ。
ならば、僕の使命はあなたの寂しさを埋めて笑顔にすること!
出会った人には、幸せになってもらいたいから

「こんにちはー!宣言通りまた迷いに来ましたよ。今日こそはお名前教えてくださいね。どうぞ!お土産の熊のぬいぐるみです!……え?かわいくなかったですか?」
「今日は僕の自信作を持ってきましたよ。じゃじゃーん!あなたです!」

あなたに喜んで欲しいの。あなたの寂しさを埋めたいの。
けれども、どうしてあなたはいつまでも触れてくれないのだろう。
_やはり、私はそれに値しないのだろうか
じくり、と痛む胸の穴

「あなたは___」

ああ、寂しい。人に触れられない寂しさはよく知っている。

ひらり、一匹の蝶があなたに触れて、動かなくなる

「大丈夫ですよ、これぐらいじゃあ僕は死にません。あなたの寂しさを埋められるなら痛くも痒くもないんですよ。…あ、でも少しこそばゆいですかね。」

気づいていた

身に焦げ付いたこの想い

これは恋だ

「黒燿さん、どうか恐れないでくれ。僕は蝶化身だから…たとえ死んだとしても、僕は蝶となって何度も何度だって君の元へ飛んでいくから。だから…この手をとって。」

深い森の入り口。祟り神がいると噂される森のすぐ隣で
宝石のような飴を作って出す菓子屋がある。
そこの女主人は陽のような羽を持つ蝶だそうだ。
温かそうに見えるのに、その女には体温がないようで
確かに歩いているのに、地に足がついていない
きっと幽霊なんじゃないかって噂。

だけど、飴の味は本物
彼女の幸せそうな顔も本物だろう
あれは恋をしているね


キャプションは随時編集いたします。

最終世代…と言うことで。
ご縁をくださいました
東春行様 猫囲めのう様 216様 誠にありがとうございました。
第参世代からの参加ではありましたがここまでこれたのもご縁を下さった皆様のおかげです。
ありがとうございました。

一応ついった【twitter/warimashimijink

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2016-02-24 03:42:27 +0000