※R-15企画【紅い糸―に―】(illust/54120068)への参加作品です
■會澤 和真 (アイザワ カズマ)/ 男/ 高校1年 16歳/ 身長162cm/ 一人称:俺/ 二人称:あんた、名字呼び捨て/
(対象が女性の場合)一人称:私/ 二人称:あなた、名前+さん付け、お姉様(年上)/
× 女装趣味 / × MtF(性同一性障害) / ○ 百合好き / 髪は地毛。
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■素敵なご縁を頂きました。
腹違いの妹 木下桃子さん(illust/54806964) 「桃子さん」→最期の時だけ呼び捨て
俺は父に疎まれて育った。幼い頃はその理由が分からずただ父の顔色をうかがう日々だった。
自分の知る父が実の父親ではないと知ったのは何年前だっただろう。俺は母の不義の子だった。
木下桃真。この資産家の男が俺の本当の父親だそうだ。
聞けばこの男、妻と娘と幸せに暮らしているらしい……俺と母を顧みもせずに。良い御身分だな。
本人を見たときに気が付いた。俺はあの男の名のみならず目の色まで継いだらしい。
……ああ、嫌な色だ。
その男の大事な娘の顔を拝んでやろう。最初は本当にそれだけだったんだ。
「あ、あなた早まった真似はおやめなさいな!まだ咲いてもいない花を散らしてはいけないわ」
……妹だということは知っていた。
それなのに相手が女の子というだけで女言葉になってしまった自分に呆れた。
自殺、しようとしているように見えたんだ。結局それは勘違いだったけれど。
話していくうちにこの子もいろんなものを抱え込んでいると知った。全然幸せそうになんて見えない。
俺達は兄妹というだけじゃなくて多分根っこのほうが似ているんだと思う。この子に惹かれるのに時間はかからなかった。
「桃子さん、あなたが望むのなら私はいつでも会いに来ますわ。……なんてウソ。
本当は私があなたに会いたいの」
「まあ、とても素敵な花冠!そうだわ、左手を貸してくださらない?こうして…はい、指輪。
死んだら、なんて寂しいことは言わないでくださいな。私はずっとあなたと一緒にいたいのに」
「桃子さん……私、自分の目の色があまり好きではなかったの。
でもあなたと同じ色ならそれだけで好きになれるわ」
俺の手で終わらせてほしい、と。桃子がそう願った。
大事な大事な俺の桃子、答えなんてもう決まってる。
「一人で残されるのは寂しいわ。私も一緒に連れて行ってくださる?
あなたがいればそこが私にとっての天国だもの」
2016-02-09 16:56:14 +0000