【魔花】イヴアーク【花嫁】

大声ブチ切れサンクチュアリー
Preview Images1/22/2

 「憎いと思うべきなのに、愛しく思うのは、
  きっと私がもうおかしくなってしまっているからだろうか」

🌼 魔王と花嫁 
illust/51208458

 ※主催様承認済

🌼 イヴアーク 花嫁 女 18歳
 一人称:私 二人称:お前、魔王

 「はじめまして、魔王。お前は私から何もかもを奪った、覚えているか?」
 「神の元へ行ってしまったあの子たちが見ているんだ、だから、出来ない」
 「一度は母に置いていかれた。二度目は家族同然の子供たちとファーザー様たち。
 お前が三度目にならないことを心から祈っているよ」

「一人ぼっちになりたくないだけじゃないんだ、お前と、離れたくない」
 家でもあった孤児院を奪われた少女。
 何かに縋っていないと生きていけないため、今は憎しみと神への祈りで命を繋いでいるようなもの。
 祈りを捧げることは、魔王の元へ嫁いでもやめない。
 また、右腿のナイフは刃の潰された儀式用の物で、育ての親である神父の持ち物だった。

 お前しかいらないんだよ トリスティスさんillust/52058424

魔王に嫁ぐと決めてから、少しずつ夢を見るようになった。
ファーザー様や、子供たちが私に魔王を殺すように迫る夢。
あの青い魔王が孤児院とみんなを奪ったから、私はあの魔王を殺さなくてはいけない。
神は復讐なんてものを許さないけれど、みんなが望んでいるなら、そうした方がいいのだろうか。

魔王は私の名前を覚えてくれると言った。
だったら、魔王の名前を覚えてやろうとも思ったけれど、覚えるだけにする。
娶られたからといっても、私は神のもので、この命はみんなの為にあるから。

 「私の名前はファーザー様が付けてくれたものだから、そんな言い方しないくれ」
 「でも、林檎は好きだ。紅くて、甘酸っぱくて、綺麗だし、お前みたいに青くはない」


魔王がむっとするのがわかる。
私から孤児院を奪ったように、私の命くらい簡単に奪えるというのに。
嫌そうな顔をしながら、魔王が話す。
花嫁は必要なものだから、殺さないし、危害も加えないのだと。
私が死んだら、魔王は困るんだ。
私と言う存在を必要としてくれるのは、この魔王だけだと、いうのか。
だからといって誰とも話せなくなってしまったら、私は孤独になってしまうのに。
孤独になってしまったのはこいつの所為で、なのにこいつしか縋るものがいない。

 「私が神に祈っているのが不快だと思うのなら、そう言え」
 「神は何もしてくれないさ、ただ、神に祈っていないとみんなのことを忘れてしまいそうなんだ」

 (お前がどこか寂しそうだから、手を差し伸べたくなる)

時間を持て余した私は魔王に何でも話した。
独り言でも、すこしずつ相打ちをくれる、穏やかな時間。
それが赦されるものでないのは、分かっていても、今あるものに縋りついていたくて。

 「魔王を憎んでいたいのは本当なんだ。だってみんながそれを望んでいるから」
 「でもお前自身のことを、トリスのことは嫌いたくないんだ」

 (だからといって、愛してはいけない。いけないのに)

魔王には失ったものがあるのだ。
私と一緒だけど、血で血を洗うのは、ひどく哀しい。
それを分かっていても、やめられないのは魔王に力があるからだ。
ただ一人の人間には魔王を殺す力なんてないけれど、今の私には力がある。
でも、この魔王を赦してしまっている私に、そのまじないは残っているのだろうか。
ファーザー様のナイフはきっと私の気持ちを分かっている。
私のことを怒っているに違いない。

 (お前をきちんと愛せるなら、私は幸せになれるのに)
 「トリスが魔王じゃなければよかったのに、みんなを殺した魔王じゃなければ」
 「だからといって、お前が魔王じゃなければ、きっとお前に会えなかったんだろうなって」
 復讐なんてもう忘れてしまおう。愛してしまいたい。
 「私は、これで良かったんだと思う」


神に祈ることもやめて、ナイフも外して仕舞った。

みんなに怒られてしまうのが怖くて、全部忘れてしまいたかった。

ねえ、トリス。
私はちゃんとお前を愛せるかな。

笑って、ずっとお前の手を握っていたい。

 夜は怖いんだ、夢を、見てしまうから。
 もう何も考えたくない。トリスの為だけに生きていたい。

#【魔花】#【魔花】CS#【魔花】花嫁#【魔花】女#【魔花】R18可#【魔花】R18G可#【nt:子】#【魔花】成立#CV:下山田綾華

2015-08-22 16:14:18 +0000