【ただ一つの】 童話妖精類D=Sterntaler 【第7期】

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こちらの企画【illust/44307098】へ引き続き参加しております。7期2家系目もよろしくお願いいたします!

(2015/06/24/23:55)素敵なご縁を頂きました!スーファンさん!【illust/50816688
「スー、スー、その、お腹がすきました…うっ…スーのご飯がいいです!」
「…寝てるの?…\ちゅ/…お、おきて…も、もうっ!」

▼童話妖精類 Die=Sterntale(ディー=シュテルンターナー)種/偽名【銀貨orターナー】など/
 愛しい人から頂いた名は【鏡花(ジンファ/きょうか)】
 性別:♀ 年齢:15歳 身長:13cm 一人称:私 二人称:あなた/作品ID【50974110】 末尾【0】
▽匠の部隊所属/戦力:530/生命力:150/運:170/合計 850
▼Skill・種族の説明【novel/4654723
▽家族
父:ロード=ペークシス・シェルバーン【illust/50141596
「お父様、お父様、私の翅に何か引っかかってて…
 おとうしゃ…ひっく…蜘蛛は嫌いです…でも蜘蛛の巣を取ってくださるお父様はかっこいいのです…!!」
母:童話妖精/ティアラ=ペークシス・シェルバーン【illust/50466975
「お母様、お婆様が呼んでいらっしゃいましたよ?ほーちゃんと呼べと…?
 え?えぇ…そのの、ほーちゃん…ばあさま…うう…恥ずかしいです…」
兄:ヴェルガ=ペークシス・シェルバーン【illust/50851120
「お兄様は今日も陛下の警護ですか?私には務まりませんよ。せめて城下のパトロールはしてまいります!
 えっと…1か月くらいその、外出も兼ねて…うう…お兄様、ちゃんと待っててくださいね…!」
--※いつものです※

貴方へ

私の中には、全ての物語の終わりが宿っていました
けれど私には始まりも終わりも無かったのです…正確には私の宿るべき絵本が、存在をしていなかった
お母様曰く「あなたはパパに似て優しいから、全てを誰かにあげてしまったのかもしれないわね」との事だった
ぼんやりと霧散していく記憶を繋ぎとめたいのに、それを留める器がなくて
忘れられた物語は、色あせて朽ちてしまう
…つまり私の記憶が消えたら、お母様もお爺様たちも消えてしまうという事

だから私は探す為に家を出た
とても、とても心細くて寂しくて、不安だらけで
あんなに注意しろとお父様にもお兄様にも言われたのに、まんまと野盗に捕まってしまった
お爺様の記憶が脳裏をよぎる。身を守ってくれる壁も、棺も、私にはなかった

押しつぶされそうな不安に目を閉じた
けれど物音が止んだとお思い目を開けてみるとお兄様と同じぐらい大きな人
彼は何も言わずに私をすくい上げてくれた
助けてくれたと理解したら腰が抜けてしまい、涙が溢れてきて止まらなかった

ひとしきり泣いて、私は彼に事情を話した
探し物のこと、捕まっていたこと、心細かったこと、本当は家に帰りたいこと
寡黙だけれど彼は私の話を聞いてくれて、あくる日旅に出ようとした私について来てくれた
一人が不安だった私は、すっかりあなたに懐いてしまった
ぶっきらぼうで、不器用で、でも優しい優しいお兄さん。私の心の拠り所にいつの間にかなっていた

彼の事はスーと呼んでいました。私は名前がなかったので銀貨と
スーは何かと私の世話を焼きたがりました。お節介というと気持ちを無下にしていそうだけれど…
とにかく心配性すぎたのです!子供じゃないのに…
けれど彼の真摯な眼差しに見つめられると、お礼しか言えなくなってしまうのです
それでも彼が傍に居てくれるという安心感は本当に、本当に嬉しくて、私はいつしか彼に恋をしていました

私の物語がもし、貴方の中にあるのなら
そうは思っても一度鍵として剣を使うという事は、彼を殺してしまうかもしれないという事
私は、彼を死なせたくはない。けれど童話妖精の皆も死なせたくはない
もしもを考えると怖くて、私はずっと、彼に甘えていたのです
本当の事は言わず、本当の事を告げず

そうして日が過ぎて、お婆様たちの顔がぼんやりと、思い出せなくなっていました
次の日には二人の名前も思い出せなくなり 一つ一つ文字が霞むように消えていく

スーのことも わすれてしまうの かしら

ふとよぎった言葉に締め付けられるような、そんな痛み
彼も私と同じく呪いに苦しむ人でした
愛した人からの信頼を得ると、呪いが解けるのだとか
けれどその時は、死んでしまうのだとか
それは、私にとってはただの不幸でしかなかった

口にせず、相談せず、極力頼らず…けれどもう限界に近かった
私は私を助けたかったのか、貴方を助けたかったのか、誰を助けたかったのか
今になっては思い出せない事だけれど
ただ、貴方と生きていたいと思ったのは本当なの

全てを告げて、貴方が好きだと言った時、貴方はどんな顔をしていたのかしら
私はただただ溢れてくる涙が止まらなくて、怖くて
けれど同じ気持ちだと知って、嬉しくて、抱きしめて欲しくて
精一杯の背伸び。人の大きさを借りて貴方にすり寄った

愛してくれて、ありがとう スーファン

私の物語はきっと貴方が創り出してくれるんだと、心の底から信じてる
そして、私の全てを貴方のために

突き刺した鍵は、私の還るべき場所を
そして、貴方の呪いを私が断ち斬る

ただ一つの私の想いを

一冊の無地の絵本
貴方がくれた私の還るべき物語

今日も私は貴方の傍にいるのでしょうか
きっとずっと、私は貴方の傍に居たいと願っています
書き留めたこの手紙は貴方と初めて出逢った場所に隠しておきます
いつか二人で訪れた時のために

世界で一番愛しているスーファンへ
貴方の生涯は幸せでしたか?

私は、今も、これからも、ずっと幸せであると、貴方を信じています。
だから、私の物語は、めでたし、めでたし。なの。

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▽こちらのキャラクターの婚姻に関しまして、決まりましたので削除しました!
▼既知関係もお気軽にお声掛けくださると幸いです。
お返事に関しましては即日~3日間お時間を頂くことをご容赦ください。

#Pixiv Merely One Ending#∮ちろす家#童話🌹妖精

2015-06-19 08:22:26 +0000