【ただ一つの】ロンダン【第6期】

葉ユル
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ただ一つの【illust/44307098】こちらも引き続きよろしくお願いします。

ロンダン=プルモー・カラー(本名:ロンダン=メーヌリス・ペトルシュティ=プルモー・カラー・ディプシー)
凍/明護 隆葵-ロンクゥイ (りゅうき)

水の部隊/♂/24歳/176cm 一人称:私(俺) 二人称:貴方

◆ ステータス (計770)両親が水の部隊所属のためボーナスを利用しております。
Main・戦力:467 (250+202+15) / Sub・生命力:153 (80+73+0) / Sub・運:150 (80+65+5)
◆作品ID:50477799

◆家族
父:マリ・溟妃-ミンフェイ-=カラー・ディプシーさん【illust/49918473
「父さん、俺は本当に親不孝な息子ですが、それでも父さんと母さんの息子であれて良かったと心から思っています」
母:イヴリム=M・ペトルシュティ=プルモー【illust/49911691
「あの日の出来事を俺が忘れることは決してありません。母さん、貴方の優しい最期の笑顔もです」
妹:サラ=カラー・ディプシーさん【illust/50476687
「大丈夫、俺は無茶なんてしていないよサラ。だからそんな顔はしないで。
 さぁ一緒にお昼ご飯を作ろう?父さんと3人で楽しい昼食の時間を取りたいんだ」   

◆ Skill 詳細はこちら。【novel/5517312

◆プルモー族
纏狐族と猫胡蝶の力により涙の呪縛に囚われ続けながらも確かで儚い未来を得たプルモー族であったが、
災厄に母を奪われたことをきっかけに戦う力を求め、その対価として一度は得た未来を自ら差し出した。
一族の誰よりも短い未来を、剣を手に取ったその子は、命の涙を流し一人でも多くの者を護るためにと前へ踏み出す。

◆素敵なご縁を頂けました!(5/22)
✧水の部隊 ツァンナ・クロイツ・トランキラさん
illust/50117256
「ツァンナさん、と仰いましたか。申し訳ありませんが、私は戦いに集中したいのです。しかし、貴方に側に居られてはそれが叶いません。
 この部隊に剣を扱う方は他にもいらっしゃるはずでしょう。どうぞ、そちらを当たって頂けますか」
「先程は貴方のおかげで非常にスムーズに事が運べました。本当にありがとうございました。
 それで…あの、以前仰っていた貴方と組むというお話なんですが……その返答は、今からでもまだ間に合いますか?」
「私にいつも無茶をするなと口煩く仰る貴方が無茶をしてどうするんですか。全く持って説得力がありません。
 …こんな、怪我まで負って……あまり心配を掛けさせないでください。私の背中を預けられる相手は貴方しかいないのですから…。
 ……解ってます、私の発言にも説得力が欠けていると仰りたいのでしょう貴方は」
 
 俺は今まで何を見てきたんだろう。
いくら男のように振舞っていても、どれだけ己を強く見せていても、目の前にいるこの方は一人の女性なんだ。
俺の背中を守ってくれていたのは、こんなにも小さな背中だったんだ――。
……この小さな背中を守りたい。
相棒としてではなく一人の男として、俺は彼女を護りたい。

でもそれは、この願いは。

このまま彼女の傍に在ればきっと、絶対に、叶わない――…。

「私は弱い男です。誰かを守るために剣を取り、護るために強くあろうと己を鍛えてきたはずなのに。
 力を失うことを恐れ、恋を恐れ、己の本当の気持ちと、貴方と向き合うことを恐れ――逃げ出しました。
 …呆れたでしょう?本当の私は弱くて、貴方を護るどころか傷つけることしか出来ない最低な男で。
 そのくせ芽生えた貴方への想いも断ち切れない中途半端な男なのです。」

「……そんな男が今更何を言うんだと思われても、愛想を尽かされていても仕方がありません。
 しかし、それを承知で貴方にお願いあります。
 私に貴方を守らせてください。俺の生涯をかけて、貴方を護らせてください。
 ――ツァンナさん、これからも俺が貴方と共に在ることをどうか許してくださいませんか。
 今度は、貴方を愛する一人の、男として」



「ツァンナさん、少し出てきます。いえ、用事を終えたらすぐに戻ってきますので今日の食事は俺が用意しますね。
 ふふっ俺は大丈夫ですよ。そういう貴方こそ、この子も生まれたばかりなのですからあまり無茶はしないでください」

守る力と生きる時間を失い、代わり俺が得たのは心から愛する女性と子供たち。
そして、何にも代えがたいこの時間。

「しばらくの間子供達をよろしくお願いします。イチルもお母さん達と一緒にお留守番をお願いしますね」

母を失ったあの日のことを忘れることはない。あの哀しみが消えることも決してない。
けれどそれ以上の幸せがここにある。貴方のおかげで俺はここに立てている。

ツァンナさん、俺は幸せです。
愛しい貴方の隣に在れて、この手に愛しい子供たちを抱けて。
とても幸せです。

「――では、いってきます」

大切な家族に見送られ、穏やかな笑みを浮かべて彼は我が家を後にする。
家族と過ごせる時間は残り僅かであったが、それでも彼を満たすのは幸福感。
それを胸に彼は前へと足を踏み出す。

しかし

彼が家族の元に戻ってくることは、二度となかった。


*6期死亡判定によりロンダンは寿命間際に子供を庇って魔物の手に掛かり、呪縛から解放される前に故人となりました。 

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2015-05-20 14:35:39 +0000