彩世絵巻 第四世代【illust/47101565】
聞いておくれよ、お兄さん。
そこの石段 登った先の、白泉神社の息子の話。
文武両道、品行方正。
水面のように穏やかに、ふわりと静かに微笑む様は、
凛とそびえる桜樹の如く。
同じ年頃の男でも『桜月夜の賭狐』とは大違い。
日暮れにふらりと現れて 破落戸相手に容赦なく、
大金小金を巻き上げる 悪名高い賭場荒らし。
賭場で鈴の音響いたとき、桜の香りを感じたら、
勝負は降りるが賢明さ──。
そんな町人の言い種に、可笑しそうに男は言う。
『白泉神社の跡取り息子…あれは賞賛されるほど、
人の出来た息子じゃないさ。
賭狐と変わらない、ただの普通の男だよ』
確信に満ちた言ノ葉と、小さな鈴の音ちりんと残して、
男は神社の方へと消えたとさ。
◆ 藍原 染桜/あいはら しおう
半妖(樹木子・木霊・華狐・御先狐・刑部姫)
外見20歳│175cm
一人称:私/俺
二人称:あなた/キミ
雅の堂から少し離れた場所にある、白泉神社の跡取り息子。
穏やかで聞き上手、色々な角度から物事を見ることのできる人格者であり、跡取りとして申し分のない出来た息子。
……というのは仕事中だけの話であり、袍を脱げば不良息子へと早変わり。
母親譲りの勝負強さと幸運で賭事に滅法強く、たまにふらりと出掛けては各地の賭場で破落戸相手に金を巻き上げている。
素行は悪いが性格は真っ直ぐ。
仕事中であれば社交辞令も使うが、基本的に心にもないことは言わない。
思ったことを率直に口にしてしまうせいで、失言をすることもそれなりにある。ただし悪気はない。
仕事時の姿勢は本人の仕事に対する誠意と意識であり、猫を被っているつもりは微塵もない。
ゆえに素ついて特に隠そうとは思ってもおらず、あまりの落差に同一人物だと思われないだけである。
仕事中の容姿は何の変哲もない人間であるが、本来は母方の狐の血が色濃く出た姿。
「ようこそ、白泉神社へ。何もない処ではありますが、どうぞごゆっくり」
「仕事は仕事、遊びじゃないんだ。それなりの態度で臨むのは当たり前だろう?」
「キミの全てを俺に賭けてくれるなら。勝たせてあげるよ、絶対にさ。俺、賭事には強いんだ」
◇ 家族
父:藍原 華祥【illust/48873934】
「仕事熱心だね……って、そもそも父さんが跡は継がないってじいちゃんを困らせるから俺がやってるんだよ? まぁ、やるからには手なんて抜かないけれど」
母:寿 月姫さん【illust/48784695】
「父さんのついででいいんだ、母さん。俺にも服を見立てて欲しいな? 自分で選ぶとどうにも偏ってしまうから……それに、母さんの見立てなら間違いないしね」
妹:藍原 心月【illust/49338116】
「顔は文句なしにかわいいのにね、心月。元気なのはいいことだけど、少しは心姫を見習っておしとやかに。神社の評判だけは下げてくれるなよ」
妹:藍原 心姫さん【illust/49301279】
「そんなに心配しなくても、心姫は本当に綺麗だよ。顔はかわいいし所作もお上品で、天女が間違えて地上に降ってきてしまったのかな?」
◆ 素敵なご縁をいただきました!
自然体で寄り添っていける幼馴染*来栖 景花さん【illust/49301194】
「こんにちは、景花姉さん。美味しい茶菓子があるんだけど、仕事が終わったら寄って行かない? 心月も喜ぶよ」
「景花姉さんは真面目というかなんていうか……もう少し気楽にね? ま、俺でよければ話くらいいくらでも聞くから。その代わり、俺の話も聞いてね」
「今までの関係も悪くはないと思ってるけど、やっぱりけじめは大切だと思うんだ。景花さん。この先ずっと、俺の隣に居てくれませんか?」
強さと優しさゆえに気負う彼女が
心から安らげる場所で在りたいと。
自分が彼女に傷つけられることなどないのだから。
極端ゆえに周りと齟齬の生じる自分が
自然体でいられる場所は彼女であると。
自分が彼女を傷つけることなどないのだから。
この先ずっと、永遠に。
確信も理由なんてものもないが、
そこは男の甲斐性というやつだろう。
『綺麗なお月様だこと』
月明かりに照らされて、
微笑む彼女がとても綺麗で、
そうだね、なんて
月を見る前に頷いた。
◇ 不備などありましたら、ご連絡ください。
最終更新:15/03/28
2015-03-18 19:45:47 +0000