【ただ一つの】マトリカリア【第2期】


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<外は寒いですね。こんな時は紅茶をどうぞ。>
(良い匂いって言って貰えると嬉しいな。本当に身体が冷えていたんだなぁ。
寒そうにしてたから思い切って声をかけてみて良かった。)

<ごめんなさい、少し待って下さい。>
(本当は筆談は魔法でペンを走らせる事が出来るんだけど…
そうするとなんだかちょっと味気ない感じがするんだよね。)

(お父さんは頑張って私達を育ててくれて。本当に感謝してる。
ちゃんと親孝行するからね。
優しくて暖かいお母さん…私、お母さんに似てるかな?そうだったら嬉しいな。)

◆名前:マトリカリア(女/18歳/155cm)

◆所属:水の部隊

◆ステータス
Main:27【(父7+母10)+10】
Sub生命力:2【(父2+母0)+0】
Sub運:1【(父1+母0)+0】 (合計30ポイント)

◆id:47986573 末尾:3

◆スキル

・魔女の契約:魔力を得る代わりに声を失う。愛した人と想いが通じ合えば声は戻る。
その時に本人の意思とは関係無く涙を零し、その涙が結晶となり魔力の元となって
子へと引き継がれる。
子は生まれた時から声を出す事が出来ない。

・しゃぼん水晶:水晶の代わりにしゃぼん玉を浮かせて、そこに少し先の未来を写し出す。
自分や近しい人の未来は見る事は出来ない。

・シュガーバレット:甘く優しい香りが漂い精神的に癒すきつけ薬。

ロゼッタ族の父と魔女の末裔の母との間に生まれた女性。
母方の血の魔女の契約により生まれた時から声を出す事が出来ず、
筆談や身振り手振りで意思疎通を図っている。
母や父の性質によく似て気持ちが優しく穏やか。
疲れてる人、癒しを求めている人を見つけ出しては暖かい紅茶を振舞い、
自分の身体に咲いている花を使ってアロマや薬、紅茶等を作っている。
父と想いが通じ合った時に母が流した涙の結晶をピアスにして大事につけている。

父:ザスリアン【illust/47392242
<お父さん、新しい香り作ってみたんだけど、どうかな?>
(お父さんにはあまり無理をして欲しくないな。少しでもリラックスしてくれたらいいのに。)

母:マグノリア【illust/47379164
(お母さん、会いたい…もっともっと話したい事がいっぱいあったのに。)

弟:マグリアン【illust/47987814
<マグリアン、この前はありがとう。お話面白かったよ。>
(マグリアンはどんどんお母さんに似てきてるなぁ。
大事な弟。貴方には幸せになって欲しい。)

年下の旦那様
丞さん【illust/47895933

そのランプを見つけたのは偶然だった。
何の気なしに立ち寄った雑貨屋さん。
よく女の子が喜んで入るような内装では無く少し古い感じで、
何だかお化けが出てきそうな雰囲気。
あ、お化け怖いです…!
その中で見つけた小さくて綺麗なランプ。
名前の知らない花の装飾が施されている。
お店の人が言うには、壊れてて灯りが点かないとの事。
けど私はそのランプを一目で気に入ってしまった。

木陰で紅茶を飲みながら手に入れたランプを手の中でくるくる回す。
どこか接触が悪いのか色々触ってみたけどやっぱり灯りは点かない。
私じゃ直せないかな?
うんうん悩んでると、不意に横から手が伸びてきてランプを掴まれた。
驚いて顔を上げると、私と同じ歳ぐらいの男の子が難しい顔でランプをいじっていた。
しばらくするとランプに灯りが点き、装飾の花の影がぼんやりと浮かび上がる。
やっぱり綺麗だなぁ。

<直してくれてありがとうございます。>

紙にお礼を書き、ランプと男の子を交互に見ていると、男の子ははっとした顔の後にはにかみながらこのランプの製作者だと名乗ってくれた。

丞君は不思議な人だった。
丞君が舞の練習をしていると花がひらひらと周りを舞い、とっても幻想的な風景になる。
私は飽きもせずそれをずっと眺めていた。

<私、丞君の舞を舞う所とランプを作っている所、好きだよ
。>

紙にそう書くと丞君は嬉しそうに笑う。
私には弟が一人いるけど、もう一人弟がいたらきっとこんな感じなんだろうなぁ。
丞君とのんびり過ごすこの時間がとっても大事になっていた。
丞君が話しかけてくれる、笑かけてくれると、心にランプが灯ったように暖かくなる。

<丞君の好きな食べ物って何?私はね…>

こんな何でもないやり取りが楽しくて幸せだった。
もしかして私、丞君の事が好きなのかな…?
その事に気付いても、気持ちを打ち明ける事が出来なかった。
母方の血の、魔女の契約が怖い。
丞君に拒否されたら、私は一人でずっと生きて行かなくちゃいけない。
けどやっぱり丞君の名前を呼びたい。

<丞君、あのね…>

私のご先祖様、大魔女様。
お願いです、私に勇気を下さい。


母が亡くなった時の事をよく覚えている。
魔物の襲撃を受けて傷を負った母は、それからよく寝込むようになった。
母の看病や、まだ小さかった私と弟の世話で父は疲れてたんだと思う。
けどそんな様子を見せずにいつも笑顔で。
ある日、母はそんな父と私達を外に行かせた。
"私は大丈夫だから。"
母は人の気持ちに敏感な人だったから父や私達の事を気遣っての事だったと思う。
久しぶりに遊ぶ外は、私達親子3人を笑顔にさせた。
花畑で遊ぶ私達を父はにこにこしながら眺めていた。
早くお母さんもよくなって、ここにこれたらいいのにな…
その瞬間に吐き気を伴う気持ち悪さに私はしゃがみ込んでしまった。
あぁ、お母さんに何かあったんだ…!
駆け寄った父に母の事を訴える。
顔面蒼白になった父は弟を抱え、私の手を引き、母の待つ家へと向かった。
優しい父、大好きな父。
本当は走りたかっただろうに、私達を気遣って歩いてくれた。

母の身体を強く抱き締める父の後ろ姿を見て、私は父が泣いてるのだと思った。
涙は流してないけど、心が泣いてるのがわかった。
その姿を見て以来私は、愛しい人に出会うまで涙を流した事が無い。
私は隣にいる弟の手をぎゅっと握る。
握り返してくれる温かな手が幼い私の全てだった。

けど厄災は、そんな大事な存在を私から再び奪った。

弟の遺品となってしまった本を胸に掻き抱き慟哭する。
私は、厄災を許さない。
私は、自分の家族を、弟の家族を絶対に守ってみせる…!


◆企画元:ただ一つの
illust/44307098

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2015-01-04 07:54:07 +0000