■こちらの企画【illust/45481041】に参加させていただきます。
■フィー
知識食いの獣と人間たちから呼ばれる種族の少女。年齢三桁を越しているが種族としてはまだ若年らしい。なにをどれだけ食べたっていつも飢餓感に悩まされているのも、なんでもいいから知識を得ようと手当たり次第に書物を読み漁るのも全て種族の性質。知らないことに多く触れればそれだけ飢えも和らぐため、未来という未知そのものである他人の人生の傍観者となるべく主人を探している。
逃げ足はそこそこだが戦闘は不得手。記憶力を活かしたスケジュール管理や辞書代わりとしての書類作成補助以外には簡単な生活雑事をこなす程度しかできない。有能とは言い難いが主人となった相手の要望には出来る限り応えるスタンス。
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◇素敵なご縁を頂きました◇
◆主人たる聖女 テレサ様【illust/47473811】
「契約といってもそんな大仰なものじゃないよ、少なくとも僕の種族はそうだ。
あなたはただ、今から僕が告げる名前を覚えておくだけでいい。そしてそれを誰にも言わず黙っていて。
――僕の名前は、フィロソフィー。フィロソフィー・フィクスフィル。
ふふ、皮肉だよね。水のように空気のように、飢えを満たすためだけに知識を消費するこの僕が、知を愛するだなんて」
魔物は聖女の聖女らしからぬ姿に興味をひかれて主従関係を提案しましたが、
晴れて主人となった彼女は、魔物が思う以上に様々な姿を持っていました。
あどけない子供たちの相手をしたその指が、疑心のために他人を害する。
そんなおぞましい二面性すら、これまでの人生をシンプルに生きてきた魔物にとってはただただ新鮮なだけ。
自分の知らない世界を見せてくれる彼女の姿は、瞬きの間さえ見逃すことが惜しいほど鮮やかに映りました。
「嘘をつくだなんて、そんなことしたら今後ずっと上塗りしなきゃならないじゃない。
だから僕はそんな面倒なことはしない。あなたが聞きたいと願うなら、僕の知りうる限り全ての真実を伝えるよ。
安心してよ、僕はあなたの誠実な従者だ」
やがて魔物は、彼女からの要求には出来る限り応えたいと思うようになっていきました。
彼女が人を信じられない呪いにとらわれていることを知っていてもなお、魔物にはそれが信頼に思えたからです。
たとえそれが"利用価値のある従僕"として得られたものであっても構わなかった。
だからこそ、宿命からの強い感情を手に入れようと"悪人退治"に刃を躍らせる聖女を、止めようとはしませんでした。
けれどあの焦がれる瞳は宿命にだけ向けられる。決して自身に向けられることはない。
これは全て主人の望み通りであるはずなのに、どうしてか見守っているだけで息苦しくて。
そう気付いたとき、ようやく魔物は、胸の内にある感情の名前を知ったのでした。
(テレサ、あなたが僕の主人でよかった。そして、ごめんなさい、僕の聖女。
僕はあなたに嘘をつきます。
カミサマなんて信じたこともないけれど、あなたにだけは許しを乞いたい。
それでもこの真実は、死ぬまで胸の内に留めておかなくてはいけない。
最期まで、あなたの信じる、あなたに頼られる従者であるために)
「親愛なる聖女様、そしてその宿命の魔女様。
あなたたちは剥き出しの感情を刃にし、うつくしい未来をその身に刻んでいくのでしょう。
決してあなたたちの邪魔はしない。どうかその結末を、僕のこの目に焼き付けさせて」
◆良き協力者であり友人である魔物 チェカ様【illust/47530828】
世間知らずの魔物が主人と出会ってしばらく経った頃、とある朧気な魔物との出会いがありました。
出会ったのはある教会。お互いに自身の主人に付き従い訪れた先。
主人の用事を待つかたわら出会った魔物たちは、やがて情報交換を常とするようになりました。
はじめはお互いの主人に利益をもたらし、貢献するために協力していただけでした。
けれどもやがて会話が増えて、協力者としての枠を越え、ふたりはお互いに興味を抱くようになります。
儚く淡く霞みそうな性質。はっきりと周囲を照らすような性格。
割れた鏡から零れたのだという生い立ち。ひたむきになにかを思う純粋さ。
そしてなにより、彼女と、彼女の敬愛する主人の関係性。
興味はやがて友好的な感情に変わり、魔物は、少しずつ心の内を見せるようになっていきました。
詳細は伏せていても、それはあたかも親しい少女たちが密やかに交わす恋愛相談のようで。
「チェカ、君はさ、主人とどうやって交流を図っているの?
たぶん、それなりに上手くはやれているんじゃないかなと思うんだけど
これまでひとりの期間が長かったから、どうも世間知らずでさ。
チェカはいつもたのしそうにご主人様と話しているから。うらやましいな、って。
……笑わなくてもいいじゃないか、もう。
たしかに、主人と一緒に居られる、それだけで楽しいんだけれどね」
それは主人から与えられた鮮烈な眩さとはまた違う、暖かな木漏れ日のような友愛でした。
「君といると、すこしだけ未来が明るく思えるような気がするよ。
いつだって僕は一日でも長く生きたいって考えているんだけどさ
心から前向きだったのかって言われると、違うのかな、って。
主人にもたくさんのことを見せてもらったけれど、こうして君と会って
なにかを楽しむ余裕ができてきたことが、とても嬉しいんだ」
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キャプションは適宜変更・修正致します。(最終更新日:1月21日夜)
■素材【illust/45983175】【illust/11194098】
2014-11-30 13:44:49 +0000