【六花奇譚】蒼き炎のソーンツェ【第2期】

ちょが
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ソーンツェ/男/100歳超え(推定)/180cm/私、おまえ
琥珀ノ国/僧侶/カードポイント:5/ジョブレベル:1

<スキル>
蒼炎のエリクシル・対象を自身の炎で包み込むことにより傷や病、状態不良を癒す。寿命以外の死亡直後なら蘇生も行う。
共にある不死・相思相愛の対象が生きている限り必ず蘇る。番いを失うと共にその不死性も失う。
頑固・口煩い頑固爺

炎が蒼い火の鳥(ジャール・プチーツァ)。年齢は100を越えた頃から数えるのをやめた。
いつでも偉そうな態度で年寄りくさい。説教好き。されるのは嫌い。
杖は鈍器。殴るととてもいい音がする。
意外とさびしがりなのか放っておくとキレる。
片想いだと死ぬ。愛しい人が死んでも死ぬ。愛が超重量級。

◆蒼玉の国の無邪気で愛しい妻
ラリマールさん【illust/44685604
「なぜ不当に声を奪われてもそのように笑って踊っていられる?おまえは怒るべきではないのか。不可思議なものだ」
「おまえの声を取り戻したいのだ、邪魔はしないで座っていてくれ…………ラリマール、違う、座るのは隣にだ。膝に座ると本が読めん」

「おまえが傍にいてくれるだけでよい。呪いなど知らぬ。何も要らぬ。私だけを見ておいで。私の愛しい、愛しいラリマール」

息子:ジェムシリカ【illust/45246290】、ミルクーリー【illust/45052673
「ミルクーリー、お前はもう少し地に足を着け落ち着いて物事を学ぶように。ジェムシリカ、お前は甘えてばかりではいけないよ、お前はとても賢い子だ。お前たちの輝きはいつも私の希望だったのだよ」
「お前たちはもうここから巣立ったのだ。我が自慢の息子たちよ。おまえたち兄弟で、そして愛する者たちと共に支え合って生きて行きなさい」

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国が滅ぶ、という事はこういうものだっただろうか。
二人の息子を紅玉ノ国へ見送った後、妻と二人で蒼玉ノ国で暮らす事を選んだ。
己の故郷を失い、また愛しい妻の故郷すら失おうというのに恐ろしく心は凪いでいる。

抱き寄せた妻の呼吸がゆっくりと間隔を広げ、浅くなっていく。
彼女は国の滅びが始まって以来少しずつ眠りが深くなり、起きている時間が短くなっていた。
これが己の炎でもどうすることもできない国に降りかかった呪い、敗者に降り注ぐ災い。
呪いで死んだ者は青い砂になって崩れて行くと聞いた。
眠ってしまったのか、それとも目を閉じているだけなのか分からない彼女に囁くように声を落とす。
「最期が近いのだなラリマール。かつて私はお前により琥珀の災いから救われた。だが不甲斐ない事に私は今のお前を救う事はできない。」
全身の熱を上げる。煌々とした背の蒼い炎が更に輝きを増す。
「私がお前を天へ導く鳥となろう。炎によって導かれる輝きの道を作ろう。お前が迷わぬよう、怖い思いをしないように」
彼女の唇が少し動いた気がした。
そっと耳を寄せると太陽の香りがした。

呼吸の止まる寸前まで、彼女は微笑んでいたようだった。
彼女に触れている手が、彼女を見つめる瞳が、彼女を想う心が熱い。
青き砂の呪いがその手を伸ばすより早く、蒼い炎が二人を包んだ。

灰は雪のようにただ白く、風に舞って空へ消えた。
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六花奇譚【illust/41660556

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2014-07-09 12:40:18 +0000