「少しだけ、こうしていてもいいですか?」
「なんで俺でっかくなってんだ!?」
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現在キルトは、からす【illust/41906132】でお世話になりながら、体調整えていますので、これ以降の3章は【黄】での投稿となります。
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「こんにちは、ニワノコさん」
笑顔ではあるものの、本当に笑えているのかどうか分からないような表情で、キルティはニワノコに声をかける。
「キルティさん、どうしただか?」
余りにも沈んだ様子のキルティに、流石のニワノコも驚いて側に駆け寄ってくる。キルティは、一度ゆっくりと瞬きをした後、ニワノコに弟のことを話した。
「自分で送り出しておきながら、寂しい…なんて、我侭ですよね」
「ずぅっと一緒だったさ、寂しくなっても仕方ないだぁよ」
「ニワノコさん……」
ニワノコの言葉に、じわりと、目じりが熱くなる。
「少しだけ、こうしていてもいいですか?」
ぐずっと鼻を鳴らしたキルティは、ニワノコの胸に顔をうずめると、少しだけ泣いた。
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何とか無事に【妖怪食堂からす】に送り届けられたキルトは、そこでちっさい鳥に出会った。
どうやら、オムライスに良く似たオムレットという名前の鳥は、小さいことや、鳥でありながら飛べないことに悩んでいるらしい。
飛べない鳥にはペンギンだって居るし特に問題ないだろうが、そこに小ささが加わって移動が大変というのは何だか大変そうだ。
キルトは荷物をあさると、ひとつのワッペンを取り出した。幾何学模様のそれは、一見ただのワッペン。よく見ればキルトの小さな鞄にも似たようなものが着いている。
「えい!」
「うお!?」
キルトは、手にしたワッペンを思いっきりオムレットの背中に貼り付けた。
「お前、今何し――んん!?」
気がつけば、見上げていたはずの視線が同じくらいになっている。
「なんで俺でっかくなってんだ!?」
「大きくなれば足も長くなりますし、歩幅も広くなりますよね!」
にこにこと笑顔で告げたキルトは、そのままオムレットに抱きついた。
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◆PFFK【illust/41854317】
オムレットさん【illust/42002710】
キルト【illust/42022901】
アイテム詳細【illust/42884151】
◆PFNW【illust/33956297】
ニワノコさん【illust/34145868】
キルティ【illust/34326374】
2014-04-13 14:58:32 +0000