【illust/3991465】の続き
■占領政策部隊は、戦闘軍団の後を追っていた。
「MAの中は臭いでしょ、シ―バも出てきたら?」
小休止の際、イマムラに声をかけられても、彩夏はシートから立ち上がれなかった。
死の恐怖が、彼女の心を鷲づかみにしていた。
■日本皇国は、今もファティマ自由聯合加盟国として自由統一政府と交戦している。
戦闘に巻き込まれて死ぬかもしれない。
戦闘で死ななくとも統一軍が敗退すれば、
通訳として統一政府に協力している自分を、人々は問答無用で殺すだろう。
強制徴用され仕方がなかったことなど、ヒステリックになった民衆には
言い訳にもならない。
■「………わたしだって被災者なのに!!」
どうすれば生き延びることができるのか……人生で初めての問いに、彩夏は
自問自答を繰り返した。続く…【illust/4211492】
2009-05-05 06:45:23 +0000