地獄の川⑥ 小型獣脚類その2

らえらぷす

白亜紀最末期(67~66Maごろ)の北米産小型獣脚類です。前回以上に断片的な化石しか見つかっていない連中なので、復元の精度とかそういうのは気にしたら負け。

ペクティノドン・バッカーリ
 命名されてから一度トロオドン属にぶち込まれましたが、近年の再研究で復活。歯やらあごの断片やらが見つかっています。多分外見はトロオドン(エッグ・アイランドの標本)と似ていたはず。

cf.リチャードエステシア・ギルモアイ
 模式標本(アルバータのカンパニアン後期の地層から産出)は下顎の断片+歯ですが、マーストリヒチアン後期の地層からは歯しか見つかっていません。トロオドン科か、あるいはドロマエオサウルス科(のウネンラギア亜科?)の恐竜でしょう。多分。  

?ドロマエオサウルス亜科-属・種未確定
 化石を売っている店では、たまに「ヘル・クリーク産のドロマエオサウルス」の歯が売られています。ドロマエオサウルスに近縁なのは間違いないでしょうが、新属新種と考えた方が良いでしょう。ぶっちゃけ、後述のサウロルニトレステス亜科を誤認した可能性もありますが…  

サウロルニトレステス亜科-属・種未確定
 これもたまに「ヘル・クリーク産サウロルニトレステス」のラベルを貼られて売られています。やはりサウロルニトレステスに近縁の新属新種と考えた方が良さげです。一応、断片的な骨格もヘル・クリーク層から産出している模様。   

※この他、「パロニコドン」という歯の化石も出ていますが、正直獣脚類かすらも怪しかったりするので割愛(トロオドン類か、あるいはスファエロトルスらへんの前歯の可能性が大)。なお、一時期「ユタラプトル並の大きさ」のドロマエオサウルス類の化石がヘル・クリーク層から報告されたことがありましたが、現在のところどういう扱いになっているか不明です。(どこの骨が出たのかすら不詳) 

■追記■
 アケロラプトルという新種のドロマエオサウルス類が記載されました。「ヘル・クリーク産サウロルニトレステス」はおそらく本種と思われます。  

⑦→illust/35712870⑤→illust/35513828

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2013-05-14 06:18:40 +0000