おや、貴方
先日ドーザーの若者と一緒にいた時にお会いしましたよね?
ああ、そういえば先日もそんな事を言っていましたね。
あの時は、お渡しできそうな物もなく申し訳ありませんでした。
そうそう、今日はなかなか面白げなものがあるんですよ。
この遺跡で拾ったんです。
今、ちょっと手を加えてましてね。
上手くいったら、きっともっと面白くなるんじゃないかなとね。
少しお待ち頂いてもいいですか?
あ、そちらはちょっと湿ってますよ
天井のほうから水漏れがあるみたいで……
え?別に構わない、ああ、そうですか?
もしよければ、お待ちいただく間にリンゴでもいかがです?
…あ!トライデント、いけないよ
人様に差し上げたものを欲しがっては。
よし、上手くいった。
いえね、どうもコイツはオルゴールらしいんですよ。
オルゴール自体は動いたんですが、ギミックの動力が切れていたようで。
そこで、手持ちのファイアニウムを使って少し手を加えてみたんです。
これは……妖精、の、幻?ですかね。
魔法とは違いますね、ただの幻だ。
けれど、音楽に合せて踊ってくれますよ。
きっと、これは男性から女性に贈った品でしょう。
時代や所が変わっても、こういう所は変りませんね。
ああ、いえね。
私もね、妻に初めて贈った品物がオルゴールだったんですよ。
ははは、まあ……昔の話ですけれどね。
【亡国のオルゴール】
機械の遺跡で発見された、滅びさった国の遺物。
それ自体は、なんという事もないオルゴール。
耳慣れないその調べは、不思議と聴くものの心に郷愁を誘う。
ファイアニウム動力でギミックが作動するようになっており
底面のスイッチを入れると妖精の幻が現れ
音楽に合せて踊りだす。
■ワラシベ廻流【illust/34477314】
■頂いたアイテム【illust/34818091】
■オルゴールの行く先【illust/34640055】
■風変わりな巡礼者【illust/34119254】
■先日【illust/34583425】
■とある蒸気機械技師と愛馬【illust/34188365】
企画元【illust/33956297】
2013-04-01 15:07:29 +0000