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マリア「⋯さて、マーヤの様子はどうかしら」
マーヤ「どうもこうも⋯」
フランスに戻った軍は、薬を打たれた数人の女の子をすぐさま病院に入院させた。幸い、あいの時に治療法は確立していたため、複数の病院に分散して透析を進めていた。(参考:あいの時→ illust/117368332 )
マーヤは2回目ということもあり、前回入院した同じ病院に入院となった。マリアはまず、どんな状況だったのか詳細を聞き取るように数人の女の子を回っていたのだ。(参考:マーヤ1回目→ illust/122320395 )
マーヤ「第一、この治療って最低一週間くらいかかるって、マリーが言ったんじゃない」
マリア「まぁ、そうなんだけどさ」
ベッド脇の椅子にマリアは座る。リクライニングを立たせたベッドに横たわるマーヤは、目線を自分の前にやった。
マーヤ「⋯ねえマリー、あたし、だいぶ頑張ったよ、課題」
マリア「そうなんだ、テストしてみる?」
マーヤ「いいよ」
狼狽えるわけもなくそう言い放つマーヤ。マリアは少し嬉しくなった。
(参考:マーヤへの課題→ illust/122662922 )
<ここから英語>
マリア「マーヤ、あなたが襲われた時の状況を教えて」
マーヤ「⋯図書館で日本語の勉強をしてた時。突然教室のある建物の方から銃撃音がして、私は咄嗟に本棚のところに隠れたの。しばらくすると、男の声がしたわ⋯そうだなぁ、『早く歩け!』とか、『泣くな』『殺されたいのか』⋯って。またか、って私は思ったけど、もうあんな思いをするのって嫌だったから、早くこの嵐が去ってほしいって、息を殺してた」
マリア「でも、結果的にあなたも捕まっちゃったんだよね、そこがわからないの」
マーヤ「単純よ。そろそろいいかなって顔を出したら、そこに銃を持った男がいたの。⋯出てくるタイミング早かったのか、しらみつぶしに探してたのかはわかんないけどさ、⋯しかもその男、前回あたしをレイプした一人だったらしくて、『この前の恨み!』って言いながら、口を押さえつけてきた。⋯正直、そこから次に目が覚めるまでの意識はないわ」
マリア(⋯ってことは、前回のメンバーが牢屋から外に出ている⋯?)
マーヤ「よっぽど恨みがましかったんでしょうね、他の女の子たちは先に薬打たれてて、発情している子もいたはずなのにさ、いの一番にあたしに突っ込んできたのよ、おちんちん。⋯なんで酷いことするんだろ」
<フランス語>
マリア「⋯もういいわ。すごいじゃない、英語ペラペラになってるじゃないの」
マーヤ「言葉が違うだけで、フランス語と同じような言葉だーって、学校の先生から教わったらあとは早かった。正直、マリーと別れてからまもなくここまで行ったよ」
マリア「そうなんだ、こりゃ、夢の留学までは近いのかな?ふふっ」
マーヤ「そうでもないよ、日本語、すっごく難しいの。どうやったら勉強できるのかすらわからないんだもん」
マリア「まずリスニングと簡単な会話からの方がいいかもなぁ⋯。じゃあさ、今から私、日本に電話をかけるんだけど、それが何を言ってるのかを当ててみてよ、それで判断するから」
マーヤ「わかった」
<ここから日本語、マリアは俊の会社に国際電話をかける>
マリア「⋯こんにちは、こちらフランス国防省のマリアと言いますが」
日和の声『あら、マリアさんこんにちは。どうかされましたか?』
マリア「日和!ご機嫌いかがかしら」
日和『うーん、まぁ⋯』
マリア(⋯ずいぶん歯切れが悪いな)「俊って今、会社にいる?」
日和『えぇ、代わりますね』
マリア(ずいぶん元気がなかったのが気になる)
| -`)『代わりました(元気がない)』
マリア「ハロー俊。⋯どうしたの、夫婦して元気ないじゃない」
| -`)『いやまあちょっと唯のことでトラブってて⋯。どうかしました?』
マリア「唯!?⋯まぁあとで聞くわ、要望が二つあって」
| -`)『どのようなご要望でしょう?』
マリア「1週間後くらいに、Ve3機をそちらに運ぶからメンテしてほしいのよ。射撃の精度とかが落ちてて」
| -`)『わかりました。ラボに連絡入れておきます。⋯あと一つは?』
マリア「私とピエールもそっちに行きたいの、お宿を用意してほしいの」
| -`)『期間は?』
マリア「Veの修理具合にもよると思うけど⋯一週間後くらいから二週間くらいの間?」
| -`)『旅行じゃん⋯まぁいいですけど。色々掛け合ってみます』
マリア「お願い。⋯で、唯何かあったの?」
| -`)『コロナ罹っちゃって。それだけならよかったんだけど、⋯ちょっと電話だけじゃ伝えきれんな⋯』
マリア「covidー19なら治る病気でしょう、それ以外に何かあったの?」
| -`)『色々と⋯昔のことな。ま、ちょっとこっちでもやってる最中だから。助けが欲しかったら言うよ』
マリア「(昔のこと⋯)わかった。私で出来るなら言ってね。⋯じゃ、頼んだわ」
<フランス語に戻る(電話を切った)>
マリア「⋯どうだったかしら」
マーヤ「(うーん⋯)⋯マリーがフィアンセと、日本に行くってことと、ロボットの修理をしたいよ、ってのはわかった」
マリア「十分じゃない!すごいわマーヤ」
マーヤ「でもその後のユイがcovidー19⋯のところあたりは全然わかんない。日本語難しいよぉー!」
マリア「日本語はねえ。私だって数年がかりだったし。第一、私でも分からない背景のことをあなたが分かるわけないし」
マーヤ「でも、日本かぁ。マリアは行ったことあるの?」
マリア「ええ。すごくいいところよ、だから今度はピエール連れて行こうって、ずっと思ってて」
マーヤ「へぇ、いいなぁ⋯。お寿司と富士山くらいしか知らないや」
マリア「というか、治療の途中にありがとうね、色々わかったから、今日はゆっくり休んで」
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2024-10-25 03:00:49 +0000