【ポケサガ】送り火【救国の聖戦】

コタチ

「随分と燃えやすいのね」
辺りを飛び回る紙兵を払いながらひとり呟く
自身の燃えるべき場所を失い消沈しているようには到底思えない様子でいつものように戦場を燃やし歩いていた。

左耳につけたタグからの二つの伝令が届くまでは―――

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「またねー」
場にそぐわない言葉を跡に溶岩の子はその場から去ろうとしていた。

「またねって…行かせると思ってるぴぴ?」
去ろうとする背に向け、得意技を放つべく手を向ける桃色の幼子。
瞬間、爆ぜた
否、自分の炎ではない

青い炎が地を走るようにその場を制したのだ

「燃やせるものがまだあるのに もう帰るのね」
青い火の中に、同じ色の火を宿した者が立っていた。
「いたい…し ぐらぐらする」
見れば右目付近を負傷しているようだった。
「あら…痛そう。でも止血は必要なさそうね」
そう言い、焼けるのを気にすることもなく溶岩の子を抱え上げた。
自身の炎で己を焼きながら戦う彼女にとってはそれぐらい些細なことなのだろう。

突然、炎から現れた第三者を警戒していた白き夢魔も、その様子を眺めて見逃すかのように別の方を見やる。
「行かせていいぴぴ?」
その様子にも桃色の幼子はすぐに気がついた。
先程までテレパシーでやり取りをしていた内容と一致しない行動に不満をもらす。
「それよりあっち」
言われる方には二匹の蜘蛛を従えたニンゲンがそこにいる。

「これに懲りたらもう来ないでしょ」
言い訳には苦しいだろうか。だが興が削がれてしまったのもまた事実だった。
「ユウドが言うなら…」
腑に落ちない様子ではあるが納得はしてくれたようだった。

「私個人としては強いヒトなら歓迎なのだけど」
「いいからさっさと帰って治してあげればいいでしょ」
しっしと手を払われてしまった。
「アトラ、もやしちゃやだよ」
こうまで言われてしまっては残念ではあるが退くしかないだろう。

現れたときと同じように青い火が辺りを燃やす。
標的はあくまで辺りを飛び回る彼らではあるのだが…。

「邪魔物は払ってあげる。あとは任せるわね」
その場に残るもうひとりのナラカにそう言い残した。

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ようへい【illust/120633028
たのしい、社会科見学【novel/22596580
所在【illust/120657056
少女が見た勇猛果敢の炎【novel/22592580
このあたりの流れから。
行動がパラレルしていますが場を統合しました

トロンちゃんを回収し、その場をあとにします。このあとタグを使って帰ることでしょう…
トロンちゃん、ぴぴぃちゃん、ユウドさんの行動、セリフなど一部監修していただきました。ありがとうございます!

●辺りの紙剣を場ごと燃やしました。しばらくは邪魔してくる個体はいないかもしれません

お借りしました

トロンさん【illust/115821151
ユウドさん【illust/116539377
ぴぴぃさん【illust/119546542
ヴィヴィアンさん【illust/115903476
描けませんでしたがこの場にいるナラカ フレアさん【illust/120132889

#PokeSaga#【ポケサガ:交流】#【神域イイーキルス】#【ナラカの遠吠え】#神話の始まり【支配】#救国の聖戦【支配】#異界兵器の討伐【支配】

2024-07-20 11:11:41 +0000