※アナログです。
再生の隠れ里リジュール【illust/118664683】への避難経路の一部で起こっていた、とある一幕。
ー「」=ルクシオ、「」=フライゴンー
「ほんとに何なんだコイツら、やってもやっても出てきやがる…」
突如現れた異界の生物相手に『いわなだれ』を落としながら、運び屋sandstorm所属のフライゴンが悪態をつく。彼はリジュールへの避難経路確保と支援物資の運送、そして受け入れられなかった避難者達を別の場所に運ぶ依頼として此処に来た。運送の仕事上、途中で戦闘する状況になってしまうのは何度も経験している。だが、今回は今までの経験の中で一際数が多い。普段ならそういう相手には『じしん』や『すなあらし』で撒くのだが、避難しにきた人達と今背に乗せているヤツにもダメージが入ってしまうので使用出来ない。
▼つじぎり
空中という、飛べない者にとって安定しない場所であるのにも関わらず、異界の生物に的確な一撃を加えたアイツが背の上に乗った。
「ありがとう。ナイスキャッチだ」
「どうも」
今に至るまで、『でんじは』や『かいでんぱ』で弱らせた上でのコイツの一撃によって既に、異界の生物達何体かが地にひれ伏している。元闘技場の奴隷とは言え、このルクシオの強さは末恐ろしいものだ。さっきから自分達2人で交代交代攻撃しているが、なかなか減ってくれない。
「頼みがある。少し避難経路から離れられるか?」
今から周辺被害がデカい技でも使うつもりなのだろうか、コイツは。このフライゴンに断る理由は無い。承諾する。
「少しでも連中の注目をこっちに向けさせることが出来たら、避難しやすくなるはずだ」
▼じゅうでん
「そうだな。だが上手くいったら、お前も巻き添えになってもらうからな」
▼ドラゴンエール+ワイドブレイカー
「そうか、その時はよろしくな」
「よろしく。さぁお客さん、1つ派手にお願いしますよ」
「あぁ」
リジュールに繋がる避難経路から少し離れた空中で、『ほうでん』による閃光が放たれた。
ーー
▼ルクシオ♂
【novel/21929179】でキュルケによって解放された元奴隷の少年。解放後は、運び屋sandstormに運ばれ、リジュールに住み着いていた。奴隷になる前は、戦士の卵として平穏に過ごしていた。それまでは人間と何度か交流していたので、人間への不信感は低め。
▼フライゴン♂
運び屋sandstorm【illust/115708111】に所属する、星追いの一族【illust/115854656】出身の少年。一族としてのアザは尻尾の付け根にある。ルクシオ♂とは、2章後から知り合い年が近いこともあって親しくなる。
2024-07-13 23:18:03 +0000