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二十五年前、わたしは大破損して修理を受けた。
当時のマスターであるヴィルヘルムがわたしのために使ったのは二つの魔法石。
一つは記録媒体として頭部に。
一つは自然界のマナを取り込むための核として胴体部……いいえ、心臓部に。
元から備わっていたゼンマイは、マナを体内に循環させるために再利用されて。
そうしてわたしは、ただの自動人形からマナで動く魔法人形となった。
けれどその技術が正しく使われたわけではなかった。
下手に分解もできぬ骨董品たる彼の人形を解析して得たものは、“感情”と“不安定な動力機構”。
――わたしは、近い将来あの子の前で再びただの人形に戻るのだ。
そうなったら次はきっと、“わたし”の記録は持ち越せないのだと、わかっている。
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長い話に付き合わせてしまい本当に申し訳ないと思っています(本編でやれ)
ということで!!!ダンパには父親に会いにきていました!!本人来なかったけど!!!
■こちら【illust/116181683】で一緒に踊っていただいたので、その前後という感じで。
別名、ダンパでやるな話()
フィメラル側と会長側で視点が入れ替わってますが、両者同じ話を違う人としています。
今回オズさんは勝手に二人が巻き込んだ形にはなりますが、フーリエの家の事情とフィメラルの現在の状態を知っている状態、ということになります。(この投稿をもって、父親が魔法学者になった理由を会長が知ることになります)
会長側の話の内容もフィメラル側の会話と大して変わらないので、本体の方の耳で会話が聞こえてたかどうかはおまかせします。
■フィメラルの状態
テンペスティアの動力回路を不完全な状態で真似たもので、二つの魔石をつなぐ回路が不安定なままアップデートを繰り返して今の状態を保っています。ので、近い将来には接続が切れて記憶媒体に記録されないものが出てくるという不具合を抱えています。(会長の父はこれを改善するためにアラディア院へ)
会長はこの件を、今回フェルマータを通して知ることになります。
■お借りしました!!巻き込んで申し訳ないと思っております、長話にお付き合いいただきました。
オズさん【illust/115363082】【illust/101965833】
会長とフィメラル【illust/115182267】
■パラレル大魔法大歓迎です
2024-04-28 17:47:08 +0000