自分には何かが足りない。
それに気づいたのは、目が覚めてお姉ちゃんの一部が欠けていたのを見た時だった。
いつからなくなっていたのだろう?前はちゃんとあったような気がする。
でも、思い出そうとすると、とても眠くなるの……
マトイは下で繰り広げられるバトルの光景に見入っていた。
炎が渦を巻き、剣の閃光が輝き、黒い影が伸びる。
画面越しで見ているのではない、今、自分の真下でそれが繰り広げられている。
凄い凄いと興奮して本来は技の威力を弱めるためのものである足場にされた壁から身を乗り出して、それを少しでも記憶に焼き付けようと見ていた。
時折、臨時の先生をしてくれているメテオライトから自分の得意技である糸をはくを出すように声をかけられる。
自分も今、下のバトルに参加できるのだ…と思うとつい嬉しくなり授業で出す時よりも多く糸を生成してしまう。
先生との約束で今はこの技しか出してはいけない。
本当は自分もあそこに混ざって戦えたらきっとかっこいいのだろうな……と考えるがそれが無理なのは今回の授業のことからも自分が一番よく理解している。
知らないことが、足りないものが、多いなぁ……とマトイは少ししょんぼりと垂れ目の瞳をより下げてしまう。
先生のように体が小さくてもそれをハンデとは思わせず戦えたら
先生のお姉ちゃんのように飛んでくる技も切り捨てられたら
お巡りさんのように未進化でも強さを引き出せたなら
自分もお姉ちゃんを止められたのに…
自分もお姉ちゃんを守ってあげられたのに…
自分…も…?
マトイは、はて?ときょとんとして首を傾げたが下からの技のぶつかり合う音に視線を戻し、考えていたことなど忘れてバトルに見入った。
■
こちらillust/109249869のお話の一部を勝手ながら描かせていただきました!!FAです!!!!!
特等席でのバトル見学だーーー!!!!!!
ということでマトイがこの時何を考えていたのかもちょこっとだけ……
とにかくバトルの様子にかなり見入っていると思います。
■お借りしました!
メテオライトさんillust/108494938
┗普段のお姿illust/107384386
┗使用技や持ち物等illust/108973382
ミーティアさんillust/108494980
┗普段のお姿illust/107252885
┗使用技や持ち物等illust/109004508
タスクさんillust/108487759
┗普段のお姿illust/106747751
┗使用技や持ち物等illust/109004508
🍅illust/108500736
2023-06-23 13:26:39 +0000